3月に最も読まれた記事【内部資料入手】公取法に抵触する「販売期限切れ後の返品はない」は本当か?パル通信(103)

2023年3月に配信した記事のうち、最も読まれた記事は【内部資料入手】でした。このほか、配信記事を一挙にご紹介します。
井出留美 2023.03.31
誰でも

こんにちは。私は3月30日から岐阜県に出張しています。いつもニュースレター「パル通信」をお読みいただき、ありがとうございます。今回は、2023年3月に配信した記事をご紹介します。

本記事は、どなたでもお読みいただけます。サポートメンバー(月額500円)のおかげで、こうして取材に来ることもできますし、広く多くの方にお読みいただきたい記事を無料でお届けすることができます。いつも食品ロス削減や啓発に関する活動を支援していただき、感謝申し上げます。

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2023年3月に配信した記事の中で、開封率83.3%と、最も多く読まれた記事は下記、3月11日に配信した記事でした。(開封率については、メールマガジンの平均が20%台、ニュースレターだと50%を超えるとよいようです)

3月11日【内部資料入手】食品小売業「3分の1ルールの販売期限切れ後の返品はない」は本当か?


コンビニやスーパー、百貨店などの食品小売から、食品メーカーに対する「返品」は、正当な理由がない場合、「不当な返品」となって、公正取引法における「優越的地位の濫用」になって抵触することになります。多額の罰金の可能性もありますので、一般的にはそのようなことはしないはずです。

「3分の1ルール」とは、1990年代から食品業界に存在する商慣習です。賞味期間を3分の1ずつに区切り、最初の3分の1を「納品期限」、次の3分の1を「販売期限」とし、それぞれの期限で納品・販売を終えるというものです。法律ではなく、ルールに過ぎないのですが、これにより、2012年ごろには年間1,200億円以上のロスが発生していました。農林水産省や流通経済研究所、食品業界がこのルールを緩和することに動き、2023年現在では年間400億円台程度のロスにおさまっているもようです。とはいえ、ゼロではありません。

ある小売の方によれば、「もう販売期限による返品は存在しない」そうです。そこで本記事では、食品メーカー複数社の調査結果を関係者から入手し、実態はどうなっているかについて述べました。

3分の1ルールのことを書くと、たまに「いつもコンビニやスーパーを悪者にしている」と言われることがあります。でも、私の講演や書籍、監修書籍では、優れた取り組みをしているコンビニやスーパーの事例をご紹介しています。どうか、ご理解いただけるとありがたいです。

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次に、グリーンピースの平井ナタリア恵美さんの寄稿も、開封率70.8%と、多く読まれました。グリーンピースが実施した意識調査の結果についてです。われわれの生活で最も身近なコンビニに着目し、1,000人を対象に実施しました。環境意識の高い人に偏らないような、バイアスがかからない工夫をした上で調査されています。

3月2日 「コンビニは食品ロス削減を優先して対策すべき」グリーンピースが意識調査の結果を公開


平井さんの記事では、食品ロスと気候変動との関連についても書いてくださっています。ここは、まだまだ知られていないので、ぜひ知っていただきたいポイントです。

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また、食品ロスに1ドル投資すると14ドルの利益がある・・・の記事は、開封率68.5%と、こちらも多くお読みいただきました。2022年9月、食品ロスの会議でニューヨークへ渡航しました。その時も、このことが話題として挙げられました。食品ロスを減らした際のメリットや、食品ロス問題のキーパーソンとなる5つの分野、なぜ民間企業は食品ロス削減に力を入れるべきかなどについて詳しく書いています。

3月6日「食品ロスに1ドル投資すると14ドルの利益がある」世界標準の最新知識を一挙に紹介

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また、以下の3つの記事は、いずれも開封率50%を超えており、広く読んでいただきました。「パル通信」読者には、共同通信の井田徹治さんがいらっしゃいます。先日、ビデオニュースで井田さんとの対談を実施した際、こちらの記事をとりあげていただきました。

SDGsが国連サミットで採択されたのは2015年9月です。この国は、それより以前から、地道に食品ロス削減の活動を続けてきました。

3月16日 2007年以降、一人当たりの食品廃棄が21%減少している国はどこか

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奈良は、私が大学時代の4年間を過ごした土地です。この記事は、大阪在住の方や兵庫県出身、西日本在住の方などに「今度、ぜひ行ってみたいです」「どの店も行ったことありません。以前、飲食店の覆面審査員をしていたのに」などとご関心を寄せていただきました。

奈良は、今が桜満開だそうですよ。

3月21日 奈良のうまいもの

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下記の記事は、「パル通信」読者の方が、IPCC第六次報告書について、難しい、わかりづらいとつぶやいていらっしゃったのを目にして書きました。リンクをたくさん貼ったのは、いろんな組織が報告書について発信しているものの、いちいちそれらのサイトを調べるのは面倒なので一括して確認したい、なのにそれが見られるサイトがなかったからです。別々のところへ見に行くのは面倒なので、あとで便利なようにまとめてリンクを貼っておきました。IPCCが発信しているのは同じ内容なのに、その情報を受け止めて、どう咀嚼して伝えるかは、組織によってまったく違っていました。

報告書で強調しているように、今が危機的状況であることはいうまでもありません。では、具体的にどう行動すべきかについての発信も少なかったので、海外誌が紹介している8つの方法をご紹介しました。

3月26日 IPCCの第六次報告書を読み解く:気温上昇1.5℃に抑える8つの方法とは

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それぞれの記事では「今日の映画」「今日の書籍」もご紹介しています。読者の方のご著書も紹介していますので、こちらもぜひご覧くださいね。

4月9日(日)日本時間の9:30am-10:30amは、サポートメンバーの方々限定の第三回オンライン交流会をzoomで開催します。第二回の交流会では、お仕事につながった方もいらっしゃいました。今回もぜひ、メンバー同士で仕事にお役立ていただけるとうれしいです。

岐阜でのイベントや出張については、4月以降の記事でお伝えしますね。

どうぞよい一日をお過ごしください!

2023年3月31日

井出留美

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