4月に最も読まれた記事【内部告発】セブンが隠したい食品ロスの実態 パル通信(109)

2023年4月に配信した記事のうち、最も読まれた記事は【内部告発】セブンが隠したい食品ロスの実態 でした。このほか、配信記事を一挙にご紹介します。
井出留美 2023.04.30
誰でも

こんにちは。私は4月12日から19日まで、愛媛県松山市、徳島県、香川県に出張していました。いつもニュースレター「パル通信」をお読みいただき、ありがとうございます。今回は、2023年4月に配信した記事をご紹介します。

本記事は、どなたでもお読みいただけます。サポートメンバーの皆様のおかげで取材に来ることもできますし、広く多くの方にお読みいただきたい記事を無料でお届けすることができます。いつも食品ロス削減や啓発に関する活動を支援していただき、感謝申し上げます。

4月9日(日)は、サポートメンバー限定のオンライン交流会を開催し、日本とニューヨークから16名にご参加いただきました。日本でも、北海道豊頃町、長野、軽井沢、富山、横浜、東京、埼玉、大阪、岡山などから参加され、参加者の職業も、スーパーマーケット勤務、主婦、料理研究家、技術者、小売研究者、食品関連事業者、アプリ開発・販売者、全国紙記者、カフェ経営者、フードバンク、食品メーカー、大手電機メーカー勤務など、多岐に渡りました。常々、多様な立場の人が集まる場を創りたいと思っているので、多様な参加者同士が独自につながる機会ができて、うれしく思いました。オンライン交流会は、今後とも不定期で開催していきます。読者が直接コメントを投稿できる「スレッド」や、非公開のFacebookグループで、読者同士の交流もできます。サポートメンバー同士の仕事も生まれています。

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2023年4月に配信した記事の中で、開封率84.8%と、最も多く読まれた記事は、下記、4月4日に配信した記事でした。(開封率は、メールマガジンの平均が20%台、ニュースレターだと50%を超えるとよいようです)

【内部告発】セブンが隠したい食品ロスの実態、SDGsウォッシュを賞賛するマスコミの機能不全 パル通信(104)

2023年4月3日付の日本経済新聞で、食品ロス削減の取り組みが賞賛された最大手コンビニエンスストア、セブン-イレブン・ジャパンについて、関係者の方から、食品廃棄金額の内部資料を送っていただきました。具体的に、1ヶ月あたり、どれくらいの金額にあたる食品を捨てているかについて書かれている生データです。

私は2017年からYahoo!ニュース個人で記事を書き始めました。当初、スーパーの取材記事を書こうと思ったところ、Yahoo!ニュース編集部から「せっかくだったらコンビニも取材しては?」と薦められたことが、コンビニを取材するきっかけです。

今回、関係者の方がリスクを冒して内部告発し、「この事実を発信してほしい」と願いを託されただけあって、開封率84.8%の高さで読まれました(もちろん、開封しただけで読まれない場合もありますので、開封率イコール読まれた、とは限りません)。

1982年に国際消費者機構(CI)が提言した「消費者の8つの権利と5つの責任」には、批判的精神を持つことの大切さが書かれています。情報をうのみにするのではなく、この情報の裏には何があるのか、報道されているのは事実なのか、それとも忖度なのか、など、読み取る必要があります。便利を享受する裏側にあるものを知ることも必要ではないでしょうか。

なお、今号のニュースレターの「表紙」にしているのが、セブン-イレブン50周年プロジェクトアンバサダーのイチローさんです。「買い物のとき、商品は一番奥のものからとる」そうです(あれ?セブンは食品ロスを防ぐため、てまえどりを推進していたのでは?)。

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次に、開封率71.3%と、多くの方に読まれたのが、北海道で「プラスフード」を運営している田尻敏憲(たじり・としのり)さんによる寄稿でした。4月22日の配信記事です。

サブスク型フードシェアリングによる食品ロス削減の事例 パル通信(107)

サブスクリプション型(subscription:定期購入:サブスク)フードシェアは、サブスク型でないフードシェアとどう違うのか。賞味期限が近づいていて、その残りの期限によって、どの方法で食品ロスを減らすのが適切なのかについて、具体的にお話しいただきました。

田尻さんは、衣料品卸の会社のネットショップ部で約12年勤務し、そのノウハウを活かした新事業の部署という事でフードシェアリングを2020年1月から開始しました。札幌市内の食品ロス削減を飲食店の集客に繋げるサービスを定着させるべく、活動していらっしゃいます。

この記事を読んだスーパーマーケット勤務の読者の方より、興味深い記事で参考になる、お惣菜に関しては、消費期限が切れる2時間前に撤去しているので、この方法が適用できるかもしれない、とのコメントをいただきました。

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次に読まれたのが、開封率57.7%、4月12日に配信した下記の記事でした。

なぜ生乳廃棄は続くのか?農水省の政策は付け焼き刃で他人ごと パル通信(106)

コロナ禍では、生乳が余ったため、当時の首相や政府が呼びかけて「もう一杯、牛乳を飲みましょう」と、牛乳や乳製品の消費が促されました。しかし、コロナ禍の始まりから3年が経った今、ロシアによるウクライナ侵攻による飼料価格の高騰もあって、酪農業界に厳しい事態が続いています。なぜ生乳を捨てなければならないのかについて、農林水産省のQ&Aを基に、説明しました。

海外から乳製品を輸入している一方で、国内産の生乳を捨てる現状には、納得がいかない人が多くいます。ある読者の方から、バターを製造する際に生産される脱脂粉乳については、フードバンクに提供してはどうだろうか、というアイディアをいただきました。パル通信の読者にはフードバンクの方も複数いらっしゃいますので、もし希望があれば、関係者の方におつなぎしますので、お知らせください。

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そして、開封率51.1%だったのが、4月5日に配信した次の記事でした。

なぜ日経はセブン&アイの4年前と同じ件を繰り返し報じるのか パル通信(105)

この件は、読者の方から、「自分もこの記事に対して違和感を感じていた」「本当にその通り」と、複数のコメントをいただき、またSNSで記事をシェアしていただきました。反響としては、4月に配信した記事の中で最も大きかったです。

ある食品関連事業者様とのミーティングでも、執行役員の方から、「もう2019年に報じられていたことなのに、なんで今さら発信するのか、意味がわからない」と、セブン&アイに対する異議がとなえられました。報じた日経新聞に対してではなく、セブン&アイの姿勢に対する意見が多く聞かれました。

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そして、開封率49.8%だったのが、4月23日に配信した、徳島のうまいものの記事です。

徳島のうまいもの 世界パティシエ大会優勝の店 パル通信(108)

徳島在住の方も「知らなかった」というお店の紹介でした。後日、このパティシエが作ったお菓子をその方に送ったところ、お母様やだんなさまなど、みんなで「美味しいねえ」といって食べていたとのメールをいただきました。お母様は、名産である木頭(きとう)柚子の生産地のご出身だそうです。農産物としては知っていても、それを調理・加工した製品は知らなかったとのことでした。

読者の方からは、記事には載せていなかった、徳島駅近くにある飲食店がおいしい、とご紹介いただきました。ありがとうございました。

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以上、2023年4月に配信した記事についてご紹介しました。

4月の記事で紹介した書籍と映画は次の通りです。

<書籍>

『人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える 人生とキャリアを再構築する方法』

『健康になる大全』

『食の資料探しガイドブック』

『世界の食卓から社会が見える』

<映画>

『生きる LIVING』

『AIR エアー』

『ガン・ホー』

『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』

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5月には、サポートメンバー限定向け記事として、愛媛県松山市のパル通信読者の中村さんから寄稿していただく予定です。

なお、私がボランティアで監事をつとめる「おてらおやつクラブ」が、ひとり親のご家庭2000世帯に食べ物のおすそわけを届けたい、ということで寄付を募っています。よかったら記事をお目通しくださいね。

「パル通信」の感想やコメントなど、SNSのシェアや、このニュースレターに返信いただけますと、書き続ける上で励みになります。

それでは、休暇の方も、お仕事の方も、充実したゴールデンウィークをお過ごしください!

2023年4月30日

井出留美

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