ボストン大学 食品ロスを減らす最新式データ収集ごみ箱と化石燃料ゼロのキャンパスとは
こんにちは。ニュースレター「パル通信」に登録いただいてありがとうございます。農林水産省ASEANプロジェクトの一環で、タイ・カセサート大学での講義が終わりました。5月のフィリピン・ビサヤス大学に続き、今年2度目です。次の英語講演は8月7・14日です。
ニュースレター「パル通信」258号では、6月に取材したボストン大学で出会った、食品ロス量を量って減らすごみ箱と、ボストン最大の、化石燃料使用ゼロのキャンパスについてご紹介します。
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ボストン最大、化石燃料を使わないキャンパス
今回の出張で、西海岸のシアトルでの食品ロス解決サミットの後、東海岸のボストンへ移動し、取材してきました。
ボストン大学は、マサチューセッツ州ボストンにある大学です。ボストンには35以上の大学があるのだそう。
ボストン大学は、いくつものキャンパスがあるのですが、その中で、2022年に完成した、コンピューティング&データサイエンスセンター(The Boston University Center for Computing & Data Sciences)へ行ってきました。
カナダの建築事務所、KPMBアーキテクツ(KPMB Architects)が設計した建物です。
こちらが道路から撮った、ボストン大学のキャンパスです。19階建て、高さは約93メートル、キャンパスの面積は、およそ32,050平方メートルです。

ボストン大学(筆者撮影)
私の撮った写真だと見づらいので、ウェブサイト「TECTURE MAG」で紹介されている記事(1)の写真をお借りします。不思議な形をしていますが、これによって、建物に8つのグリーンテラスを設置することが可能になっています。冬はあたたかく、夏はすずしくなる設計です。
写真の手前に見えるのがチャールズ川。そして、赤い三角印は、石油会社の看板。化石燃料をいっさい使わないキャンパスのすぐそばに石油会社があるという、なんともいえない構図です。
チャールズ川が氾濫を起こしても水没しない設計
自然災害のリスクも考慮してあり、たとえチャールズ川が氾濫を起こしたとしても、水害にあわないよう、ボストン市が推奨している高さより5フィート(1.5メートル)高い場所に建てられています(2)。キャンパスをはさんでチャールズ川の向こうにはマサチューセッツ工科大学のキャンパスがあります。
今回、ボストン大学での取材を受けてくださったのは、ボストン大学でサステイナビリティと施設管理・運営をまかされているゼロウェイストマネジャーのサラ・ヒーリー(Sarah Healey)さんです。19階建てのキャンパスの、17階に案内してくれました。

ボストン大学のサラ・ヒーリー(Sarah Healey)さん(Photo: Sachiko Yoshida)
化石燃料ゼロ、地熱式冷暖房、トリプルガラス....
この建物の冷暖房は、地熱式ヒートポンプを活用しており、いっさい化石燃料を使わないようになっています。ボストン大学は、2040年までに大学からの二酸化炭素排出ゼロを目指しています。

地熱ヒートポンプについて説明するサラさん(筆者撮影)
ボストン大学のキャンパス内には、環境負荷を最大限おさえた取り組みが掲げられています。
Fossil Fuel Free(化石燃料不使用)
Carbon Free(カーボンフリー)
Exterior Sun Shading(外装用日よけ)
Triple Glazing(トリプルガラス)
Wind Energy(風力発電)
Solar Energy(太陽光エネルギー)
High Performance HVAC Systems(高性能空調システム)
Geothermal Heating and Cooling(地熱式暖房・冷房)

ボストン大学一階に掲げられたキャンパスのコンセプト(筆者撮影)
そして、サラさんが紹介してくれたのが、食品ロスを減らすためのごみ箱です。ボストン大学のごみ箱と、ボストン市内のごみ箱を比べてみましょう。
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