2024年4月に最も読まれた記事 日本は食品ロスで何兆円捨てているのか パル通信(176)
こんにちは。ニュースレター「パル通信」にご登録いただき、誠にありがとうございます。パル通信は、無料登録のみなさま、サポートメンバーのみなさま、あわせて1,800名ほどが購読いただいています。サポートメンバーの方々には毎月定額のサポートをいただき、おかげさまで食品ロス削減やサステイナビリティの活動や取材、海外情報の購入をつづけることができており、感謝申し上げます。
今回のニュースレター「パル通信」176号は、2024年4月に最も読まれた記事を含め、4月に配信したすべての記事のエッセンスをご紹介します。
ニュースレター「パル通信」は、食品ロスやサステイナビリティに関する国内外の情報をお届けしています。毎月4本以上のすべての情報を受け取るにはサポートメンバーの登録をご検討いただければ大変ありがたいです。サポートメンバーの方は、オンライン交流会やオフライン交流会にご参加いただくことができ、参加者同士、企業同士のコミュニケーションも生まれています。
お知らせ:2024年5月10日(金)14-15時、奈良 蔦屋書店で拙著『あるものでまかなう生活』(日本経済新聞出版)のトークイベントが開催されます。奈良蔦屋書店は、60年の老舗釜飯店、「志津香(しづか)」 大宮店のすぐそばの店です。だしで20分かけて炊いた釜飯を食べてからぜひお越しください。
日本は食品ロスで何兆円捨ててどれほど温室効果ガスを出しているのか パル通信(172)
2024年4月に配信した記事のうち、74%以上と最も開封率の高かったのは172号、日本は食品ロスによって何兆円の金額損失を出し、どれほどの温室効果ガスを排出して環境に負荷をかけているか、をテーマにした記事でした。
私も成立に関わった日本初の食品ロスに関わる法律「食品ロス削減推進法」は、今年2024年に改正のタイミングを迎えます。これまで常々、記事の中で、食品ロスの重さだけではなく、経済損失と環境負荷についても併せて数値化すべきだと提言してきました。このたび日本政府は食品ロスの重量だけでなく、金額換算と環境負荷についても数値化していくことを発表しました。
今年でご依頼いただいて7年目となる企業のミーティングでも、自社の食品ロス量を発表するだけでなく、金額換算と環境負荷の数値化は必要だという意見をいただいたところです。食品スーパーに勤める読者の方からも、ネットゼロを目指す上で、自社の食品ロスが具体的に何トンの温室効果ガスに相当するのかを知りたいという意見をいただきました。食品ロスでいくら損しているのか、食品ロスによってどれだけ二酸化炭素を排出しているのかは、2024年のキーポイントでもあります。
国連UNEP発表 最新の食品廃棄物報告書2024 日本はどう評価されているのか パル通信(171)
次に開封率の高かったのはUNEP(ユネップ:国連環境計画)が発表した最新の食品廃棄物報告書2024でした。日本のメディアは報道していませんが、複数の海外メディアが報じており、食品ロスの分野に詳しい方なら誰でも目を通している報告書です。
この報告書は英国のWRAP(ラップ)とともに執筆されています。そこで、レポートの内情については、ニューヨークの会議でお会いしているWRAPのディレクターの方にも伺いました。
中でも注目が、日本の食品ロスの状況についてページが割かれているところです。はたしてどのように評価されているのでしょうか。
なぜスーパーでは精米して1ヶ月のコメを捨てるのか パル通信(175)
スーパーでは、精米して1ヶ月程度経ったコメは商品棚から撤去しています。
撤去したあと、どうするかについてはそれぞれのスーパーでやり方が違うようです。この記事を配信した後にも、あるスーパーに勤める読者の方から、「うちではこうしています」という情報をいただきました。やはり、精米して5週間経ったら商品棚から撤去しているとのこと。
これはコメ農家の方が知ったら衝撃なのではないでしょうか。なぜこのような商慣習があるのでしょう。
2023年は観測史上最も暑かった年なので、コメの不作が相次ぎ、現在、米菓業界では仕入れ値が2倍になっているところもあります。食資源は有限なので、食べられるものは捨てないでほしいです。
日本企業2社含む世界12社を米シンクタンクがアップサイクル企業として紹介 パル通信(174)
米国シンクタンクが、世界各国の企業の中から、食品ロスを捨てずに付加価値をつけて再生している企業を紹介しています。その12企業の中に、日本企業2社が入っていました。はたしてどの企業だったでしょうか。
配信してすぐに読んでいただける方が多かった記事です。アップサイクルの事例は世界各国さまざまで、とても面白いですね。余ったパンをビールにする取り組みはいろんな国で広がっています。
この記事以外にも事例があるので、5月のサポートメンバー記事でも紹介しようと思っています。
欧州10のホテル、6ヶ月で22%食品ロス削減、その方法とは パル通信(173)
国内外の講演で強調している食品ロス削減の具体的方策のひとつに「量る」というのがあります。何をどれくらい捨てているのか、量ることで見える化し、立ち位置を把握して減量していく、ということです。この記事では「食品ロスを量って減らす」ための機器を販売している海外の3社と、具体的に減らした事例を紹介しました。
この機器を販売している1社は、2023年6月、私のところに連絡があり、「取材してほしい」との依頼を受けて取材しました。ロンドンとシンガポールから来日しましたが、意外だったのは、「世界的にみて最も顕著な結果を出していたのは日本のホテルだった」とのことでした。
特に飲食店やホテル、レストランなど、厨房での食品ロスを減らしたい方には必見です。
今日の書籍
世界各国、24の書店がカラー写真で紹介されています。英ガーディアン紙が「地上で最も美しい書店」と評した書店も...著者は、韓国の出版界を担う人物として知名度が高いキムさん。1976年に出版社のハンギル社を設立して以来、50年近くも支持されています。
この本で紹介されている24の書店のうち、日本で紹介されているのは2つの書店のみです。さて、どこでしょう。本が好きな人ならどちらも知っている店だと思います。
私が行ってみたいと思ったのはベルギー・ブリュッセルの「クック&ブック」。書店とレストランが合体しているそうです!あとは、オランダのドミニカネン書店。13世紀に建てられた教会が書店に生まれ変わっています。
今日の映画
監督:シリル・ディオン
出演:ベラ・ラック、ヴィプラン・プハネスワラン、ジェーン・グドールほか
フランスで公開された映画がついに日本へ!メディア向け試写会で鑑賞してきました。面白くて最後まで飽きさせなかったです。ベラとヴィプランという2人の16歳が、世界7カ国を旅し、気候変動や生物多様性など、それぞれの専門家に会い、自分たちの疑問をぶつけていきます。当初は懐疑的に生きていた二人も、旅を終える頃には考え方や姿勢が変わってきました。7カ国を旅するので、映画を観ている側も一緒に旅している気分になれます。印象的な言葉もいろいろありました。たとえば「話題にする人は多いけど、実際に行動する人は少ない」「啓発するには行動すべきだ」「成長をやめるのではなく、成長の尺度を変える必要がある」「GDPはただの指標」「人間の存在理由は愛し愛されること」「愛すること、愛するものなら守ろうとする」などなど....
2024年6月1日からシアター・イメージフォーラムほか、全国順次ロードショーです。
編集後記
Yahoo!ニュースで書いている記事、今月は多く読まれています。朝日新聞SDGsACTION!で連載している記事も関心を持っていただいています。ニュースレター「パル通信」と併せてご覧ください。
今日4月30日は食に関する取材、明日5月1日はキヤノン・マーケティング・ジャパンで新入社員160名の方々向けに、ITを活用した食品ロス削減の研修です。昨年は、なんとJICA海外協力隊時代の同期の娘さんが受講してくれました!今年はどんな方にお会いできるのか、楽しみにしています。
お知らせ:2024年5月10日(金)14-15時、奈良 蔦屋書店で拙著『あるものでまかなう生活』(日本経済新聞出版)のトークイベントが開催されます。奈良蔦屋書店は、60年の老舗釜飯店、「志津香(しづか)」 大宮店のすぐそばの店です。だしで20分かけて炊いた釜飯を食べてからぜひお越しください。
ゴールデンウィークの方は、どうぞよい連休をお過ごしください。お仕事の方は無理せずに!
2024年4月30日
井出留美
・サステナビリティ情報も配信中
・過去の記事も読み放題
・毎週届き、いつでも配信停止可能
・読みやすいデザイン
すでに登録済みの方は こちら