国連UNEP発表 最新の食品廃棄物報告書2024 日本はどう評価されているのか パル通信(171)
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ニュースレター「パル通信」171号では、国連環境計画(UNEP:ユネップ)が発表した「食品廃棄物指標報告書2024」の概要について解説します。
世界で10億5,000万トンの食料が廃棄
国連環境計画(UNEP:ユネップ)が発表した「食品廃棄物指標報告書2024(Food Waste Index Report 2024)」(1)。この報告書は英国のWRAP(ラップ)とともに執筆されました。2022年の最新データによれば、10億5,000万トンの食料が廃棄されたことを明らかにしています。ちなみにこの数値は、日本の食品ロス523万トン(2)の200倍を超えています。
UNEP's just-released 2024 #FoodWasteIndex Report has the latest global estimates on food waste at retail and consumer levels: unep.org/news-and-stori…
その一方で、7億8,300万人が飢餓の影響を受け、地球上の人類の3分の1が食料不安に直面しています(1)。コロナ禍、そしてロシアによるウクライナ軍事侵攻により、食料不安や飢餓の人口は増え続けています。国連WFP(世界食料計画)は、2023年、3億3300万人が高いレベルの食料不安に直面すると推定していました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行以前と比較すると、この数は2億人も増加しています(3)。
At the same time, more than one billion tons of food were wasted.
@UNEP explains how each of us can take action to reduce food loss and waste. unep.org/news-and-stori… World squanders over 1 billion meals a day - UN report Households across all continents wasted over 1 billion meals www.unep.org
食べられるのに捨てられる食品ロス(food waste)は、食品が作られるまでに使われたコストがすべて失われるということです。食品ロスの廃棄は、世界経済に打撃を与え続けています。さらに、気候変動や自然資源の喪失、環境汚染を助長しています。
10億5,000万トンは一人あたりどれほど捨てていることになるのか
10億5,000万トンと言われても、ピンとこない人が多いでしょう。この報告書によれば、国民一人あたり132kg/年に相当します(家庭系と事業系の合算を人口で割ったもの)。日本の農林水産省と環境省が発表した最新データ(2)によれば、一人あたり42kg/年 となっていますので、国連の発表した値だと日本の3倍以上ということになります。この量は、消費者が入手できる食料の5分の1に相当するとのこと。
家庭と事業者の割合はどのようになっているのか
では、この10億5,000万トンのうち、家庭から発生しているものと、事業者から発生しているものとの割合はどのようになっているでしょうか。