フードバンクでなく「フードリカバリー」とは?生鮮食品を年22万トン回収 米ニューイングランド最大の団体を取材

ニュースレター「パル通信」264号では、フードバンクでなく「フードリカバリー」団体と呼ばれる米ニューイングランドの組織を取材した内容をお届けします。
井出留美 2025.08.11
サポートメンバー限定

こんにちは。ニュースレター「パル通信」にご登録いただき、ありがとうございます。2025年8月9日に販売を始めたマクドナルドのハッピーセット、2025年2月、5月に続いて8月の「ポケモンカード」でも、大量購入、転売、食料廃棄が起きているようです。Yahoo!編集部からオーサーコメント依頼があり、何度かコメントを書きました。

ニュースレター「パル通信」264号では、フードバンクでなく「フードリカバリー」団体と呼ばれる組織を米国で取材した内容をお届けします。米国ニューイングランドで最大のフードリカバリー団体は、野菜や果物など生鮮食品を年に22万トンも回収し、活用しています。なぜ彼らは自分たちのことを「フードバンク」でなく、「フードリカバリー団体」と呼ぶのでしょうか。

コメントがある方は、記事の末尾にあるコメント機能をお使いください。書き手にのみ返信する方法と、読者全員に共有する方法があります。

***

米国ニューイングランドとは

この団体の説明に「ニューイングランド最大」とあります。まず、ニューイングランドがどこを指すのか、おさらいしてみましょう。

ニューイングランドは、米国北東部の地域を指します。具体的にはメイン州、バーモント州、ニューハンプシャー州、マサチューセッツ州、コネチカット州、ロードアイランド州からなります。以下の地図をご覧ください。

米国ニューイングランド(Google Mapより)

米国ニューイングランド(Google Mapより)

***

なぜ「フードバンク」でなく「フードリカバリー団体」と呼ぶの?

余っている食料を受け取って必要なところへ届けるのなら「フードバンク」という呼び名でもよさそうです。この団体は、公式サイトで次のように述べています。

We never “bank” food.(私たちは食品を"貯めておく"ことはしません)

つまり、受け取ってから倉庫に貯めておくのではなく、受け取ったらすぐ、その日のうちに必要な組織へ渡すから「フードリカバリー団体(Food Recovery Organization)」と呼ぶそうです。

***

スプーンフルズ(spoonfuls)、マサチューセッツ州の団体

この団体は「スプーンフルズ(spoonfuls)」と呼ばれるNPO法人です。

スプーンフルズ(spoonfuls)公式サイトよりスクリーンショット

スプーンフルズ(spoonfuls)公式サイトよりスクリーンショット

マサチューセッツ州の中でも、中心部のボストン市からは離れた、ニュートン(Newton)というところに拠点を置いています。下の地図、赤い場所がスプーンフルズの拠点です。

スプーンフルズの拠点(Google Mapより)

スプーンフルズの拠点(Google Mapより)

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、4971文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

読者の方にはこんな内容を直接お届けしてます。

・食品ロスの正しい知識がつく
・サステナビリティ情報も配信中
・過去の記事も読み放題
・毎週届き、いつでも配信停止可能
・読みやすいデザイン

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
各家庭が週60ドルの食品を捨てるニューヨーク州―カリフォルニア州に次い...
サポートメンバー限定
「賞味期限」では測れない鮮度─2026年5月、カナダの大学が発表した新...
サポートメンバー限定
食品ロスを生む商慣習に公取委がメス─有識者も評価、2026年6月に改め...
サポートメンバー限定
ニューヨークが住民に配った「黒い金」500万ポンド 「燃やせばいい」は...
読者限定
2026年5月に最も読まれた記事 ハーバード大学の論文が問うこと
サポートメンバー限定
なぜ食品ロスは人権問題なのか  ハーバード大学の論文が問うこと
サポートメンバー限定
食品ロスに最大9,265万円の罰金—世界12カ国の食品ロス削減法の比較...
サポートメンバー限定
紛争が食品ロスを生む なぜ今まで誰も言わなかったのか ホルムズ海峡・ガ...