世界の食品ロスの28%がホテル由来、朝食ビュフェ最大要因 フランスやスウェーデン、ドイツ、タイの対策とは

ニュースレター「パル通信」269号では、世界のホテルが取り組んでいる食品ロス削減対策をご紹介し、日本の事業者や家庭への応用について考えてみます。
井出留美 2025.09.14
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ニュースレター「パル通信」269号では、フランスやスウェーデン、ドイツ、タイのホテルが取り組んでいる食品ロス削減対策をご紹介します。

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お知らせ

1、2025年10月10日、英治出版より『食べすぎる世界――なぜ私たちは不健康と環境破壊のサイクルから抜け出せないのか』が出版されます。英国でベストセラーとなった書籍で、英国のサステイナブル・レストラン協会を立ち上げ、英国の国家食料戦略を作った方が書いています。私は日本語版序文(約5,000文字)を担当しました。サポートメンバーの若林槙さんも編集協力されています。インターネット書店で予約がはじまりました。

2、2025年12月9日、くもん出版より『おやつのおぼうさん』が出版されます。拙著13冊目、おてらおやつクラブの創始者である松島靖朗(せいろう)さんの半生を描いたノンフィクションです。表紙のイラストは坂内拓(ばんない・たく)さんです。ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんの『遠い山なみの光』(新版)の表紙も手がけていらっしゃる方です。amazonサイトなどで予約がはじまりました。

3、2025年10月30日午後、東京駅近くで食品ロス削減全国大会が開催され、登壇します。一般参加可能です。

4、2025年11月4日午後、神戸大学で食品ロスに関するシンポジウムが開催され、登壇します。一般参加受付中です。当日参加も可能。

5、ジャーナリストで元 読売新聞社会部の斉藤勝久さんが、拙著『私たちは何を捨てているのか』(ちくま新書)の書評を書いてくださっています。

6、女子栄養大学出版部発行『栄養と料理』2025年10月号で、期限表示について5ページほど寄稿しています。

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なぜ私たちは食べすぎるのか

消費者行動の専門家でヴァンダービルト大学教授のケリー・L・ホーズ(Kelly L. Haws)博士(1)によると、ビュフェは「バリエーション効果( 選択肢が豊富であるほど消費量が増える現象)」により、食べすぎ(過食)を引き起こしやすいのだそうです(2)。(ヴァンダービルト大学は1873年に創立された、米国テニシー州ナッシュビルにある大学です)

セルフサービスでの盛り付けは、お客が過剰に取りすぎる可能性もあります。

また、「○円で食べ放題」といった固定料金制は、「お金を払った分だけ取りたい」という心理を刺激して、たとえその人が食品ロスによる気候変動への悪影響を認識していたとしても、食べすぎを正当化しやすくなってしまいます。


Kelly L. Haws博士(Vanderbilt University)

Kelly L. Haws博士(Vanderbilt University)

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世界のFood Waste10億5,000トンのうち28%が宿泊業界

日本のホテルでも導入されている朝食ビュフェスタイルは、どうしても食品ロスが多くなりがちです。

国連環境計画(UNEP:ユネップ)の「2024年フードウェイスト指数報告書」(3)によると、2024年に世界で廃棄された食品ロス(小売・外食・家庭で発生したもの)は10億5,000万トンにのぼります。そのうち28%がホテルなどの宿泊業界から発生しています。

朝食ビュフェは、食品ロスの最大要因の一つです。個別に注文する食事に比べると、朝食ビュフェは食品廃棄量が2倍以上です。通常だと1人あたり約130グラムなのに対し、朝食ビュフェの廃棄量は300グラムに及びます。

そこで、世界のホテル業界は、それぞれの工夫をこらし、食品ロスを防ぐ努力をおこなっています。それにより、廃棄コストを削減し、利益率を増やすことにもつながります。

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世界各国ホテルの食品ロス削減の取り組み

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