最新報告書で判明した「食品ロスの隠れたコスト」は世界で年間15兆円 食品小売が考慮すべきこととは
こんにちは。ニュースレター「パル通信」にご登録いただき、ありがとうございます。10月は「食品ロス削減月間」であると同時に「世界食料デー月間」でもあります。一年間の中でも、食のイベントが多くなる月です。
今日10月5日は、環境省・消費者庁・農林水産省が合同で開催するイベント「”MOTTAINAI”をはじめよう」で、冒頭の食品ロスに関するプレゼンテーション(15分間)と、ロバート馬場さん・ぐっち夫婦とのトークイベント(40分間)に登壇しました。環境省、消費者庁、農林水産省それぞれ食品ロスのご担当者や室長が来場され、冒頭でご挨拶されました。
プログラムが終わる14時過ぎ、会場の越谷レイクタウンを抜けて、今度は川口駅前で開催されていたボランティア見本市で、主宰している「食品ロス削減検討チーム川口」のフードドライブに顔を出してきました。毎年実施しており、いつもは終日待機しているのですが、今日は1時間ぐらいの滞在でした。29kgの食品が集まり、市内にある2つのこども食堂に寄贈しました。
さて、ニュースレター「パル通信」273号では、最新の報告書で判明した「食品ロスの隠れたコスト」についてご説明します。
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<お知らせ>
*『食べすぎる世界』(英治出版)で日本語版序文(5,000字)を執筆しました。来月10月10日に出版です。日本語版序文、英治出版公式noteで公開されました!

*『おやつのおぼうさん』(くもん出版)、13冊目の著書、12月9日出版します。印税の一部をおてらおやつクラブに寄付します!
*10月19日(日)10:30-、13:30ー、埼玉県川口市のキュポラで、私の出演映画『もったいないキッチン』が上映されます。
*10月28日(火)19:30-21:00、オンラインで、LFCコンポストのたいら由以子さんと井出留美の対談「地域で生み出す小さな循環」がおこなわれます。婦人之友社主催で、peatixでチケット販売中です。オンラインですので、どこからでもご参加いただけます。
*10月30日(木)午後、東京駅そばで第9回食品ロス削減全国大会が開催され、登壇します。参加費無料、ブース出展も多数ありますので、ぜひお越しください!
*11月4日(火)午後、神戸大学でのシンポジウムで登壇します。参加費無料、一般の方大歓迎だそうです!
*11月5日(水)午後、奈良県天理市の天理大学で講演します。もうすぐ告知がスタートします。
「食品産業は負のコストを世界中の市民に負わせている」
お知らせで紹介した書籍『食べすぎる世界』の一節に、次の言葉があります。
隠れたコスト、商品やサービスの価値に反映されない商業活動の影響は、経済学では「負の外部性」として知られている。食料システムには、この負の外部性がたくさん見られる。水や大気の汚染、温室効果ガスの排出、抗生物質に対する耐性、人畜共通の感染症、土壌浸食、生物多様性の喪失、食生活関連の病気など・・・これらのコストは全て、食料システムに関わる産業が、第三者、つまり世界中の市民に負わせているのだ。
それと同様、「食品ロスの隠れたコスト」も膨大だとする報告書が発表されました。
「食品ロスの隠れたコスト」は年間15兆円以上
ECR Retail Lossが発表した新しい報告書によると、小売業者が売れ残りや余剰食品の管理に費やす「食品ロスの隠れたコスト」は年間900 億ユーロ(約15兆6,231億円)にものぼります。
もし、スーパーマーケットやコンビビエンスストア、百貨店などの小売業者が、損益計算書(P&L)に計上されているこれら「食品ロスの隠れたコスト」を半分に削減することができれば、その大半の店は20%以上、利益を増やすことができると見積もられています(1)。
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