2008年から17年「食品ロス」に携わってきて印象的だったベスト10 3位は働き方、2位は災害、1位は...
こんにちは。ニュースレター「パル通信」のご登録ありがとうございます。このたび新しく読者になっていただいた方、ありがとうございます。8月21日に開催された、出演映画『もったいないキッチン』劇場公開5周年の上映会&オールスタートークにいらしていただいたみなさま、ありがとうございました!
一方、パレスチナ・ガザで「飢饉(ききん)」が起きています。世界で5例目とのこと。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、8月22日、これを「人類の失敗」だと述べました(BBC news)。他方で大量の食料が捨てられているのに、なんとも痛ましいことです。前回の265号でご紹介し、読者プレゼントした高橋真樹さんの著書『もしも君の町がガザだったら』お読みください。
ニュースレター「パル通信」は1、メイン記事 2、今日の書籍 3、今日の映画 4、編集後記 から構成されています。メイン記事は日本や海外の食品ロス・食関連の情報をご紹介しています。
ニュースレター「パル通信」266号では、2008年から17年間「食品ロス」に携わってきて印象に残っていることベスト10をお伝えします。食品ロスに最初に関わった2008年当時は食品メーカー広報責任者としてフードバンクに関わり、2011年の震災で会社を辞め、その後3年間はフードバンクの広報責任者を務めました。「ベスト10」といっても順位づけは難しいので参考まで....。なお、記事についてコメントがある方は、末尾のコメント機能をお使いください。
第10位 「継続」と「計測」
つまるところ、食品ロスを減らすために必要なのは、「継続」と「計測」ではないかと感じています。
英国政府が2000年に立ち上げた非営利組織WRAP(ラップ)を2017年に訪問したとき、ディレクターのリチャードさんはこう言いました。
「2000年には廃棄物削減に無関心な層が90%いましたが、データをとり啓発活動を続けることで、今(2017年)では無関心層が60%まで減りました」
20年近くも啓発活動を続けて、それでもまだ無関心な層が過半数を占めるのか・・・と思いましたが、一貫して同じことを続けている姿勢に感銘を受けました。人の意識や行動は、そう簡単には変わらない。だからこそ、同じことを繰り返し伝えていくのだ、と思いました。
WRAPはデータをとり、数字をまじえて一般の人たちに伝え、行動変容をはかっていきます。測ること、計測することで見える化しています。
徳島県での調査結果(1)でも、家庭での食品ロスを計量するだけで23%のロスを減らすことができました(下記グラフ、青)。
第9位 コミュニケーションツールとして優れている「映画」
出演したドキュメンタリー映画『もったいないキッチン』、2020年の劇場公開から5年となりました。8月21日には5周年記念イベントも開催され、登壇しました(2)。すでに300回以上、上映されているそうです。DVDも発売されました。自主上映も毎年、全国で開催されているので波及力があるのを感じます。この映画が撮影されたのは2018年、今から7年前でした。
さらにさかのぼって今から9年前、2016年の秋、当時のtwitter(現X)に、食品ロスの映画『0円キッチン』というアカウントが登場し(3)、気がついたらフォローされていました。
「え?食品ロスの映画?」
なんだろうと思ってこのアカウントに連絡したところ、ユナイテッドピープルの代表取締役、関根健次さんにつながりました。関根さんは2016年当時、家族でコスタリカに住んでいたので、オンラインで1時間ほどお話しました。その話の流れで『0円キッチン』のイベントに私が登壇し、著書『賞味期限のウソ』も映画公式サイトで紹介(4)、なんと映画館で本を売ってくださることになったのです。
『0円キッチン』は、オーストリア人のダーヴィド・グロス監督のロードムービー。ヨーロッパ5カ国をまわり、食品ロスを減らす取り組みを紹介していくポップな映画です。そして、この映画の翌年2018年に、『もったいないキッチン』に出演することになり、撮影に加わったのでした。
「食品ロス」と聞くと深刻に構えてしまいがちですが、こんなふうにポップな感じで楽しく多くの人に伝えていけるんだ、というのは新たな発見でした。「映画」のコミュニケーションツールとしての優れた面を、『0円キッチン』や『もったいないキッチン』から学びました。
今年2025年10月19日(日)には、主宰している「食品ロス削減検討チーム川口」で、『もったいないキッチン』の上映会を2回(10時ー、13時ー)、キュポ・ラM5の川口市パートナーステーションで開催する予定です(5)。
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