2024年1月に最も読まれた記事 スーパー8社が食品ロスを17.4%減らせた理由とは パル通信(160)
こんにちは。パル通信にご登録いただき、食品ロスや食にまつわる活動をサポートいただき、ありがとうございます。
パル通信160号では、2024年1月に最も読まれた記事をはじめ、1月中に配信した記事のエッセンスをご紹介します。
なぜオランダのスーパー8社は食品ロスを17.4%減らすことができたのか パル通信(157)
1月に配信した記事で最も開封率が高く、かつPV(ページビュー)が多かったのは、オランダのスーパー8社がなぜ食品ロスを17.4%減らすことができたのか、その背景と理由についての記事でした。どんな食べ物が多く売れ残ったのか、どのような取り組みをおこなうことで食品ロスを減らすことができたのか、具体的に解説しています。本記事がSmartNewsに転載されたこともあり、多く読まれたようです。ヨーロッパは全体的にロスを減らすことを優先して取り組みを進めており、中でも、オランダでおこなわれたこの取り組みは、日本の小売業界でも、そして日本の政府や大学にも参考にしていただきたい内容です。
南米パラグアイの学齢期の児童を対象とした持続可能な栄養改善に向けて パル通信(156)
こちらの記事も関心高くお読みいただきました。JICA専門家としてパラグアイで栄養改善の活動をしてきた、パル通信のサポートメンバー、若林槙(わかばやし・こずえ)さんの寄稿です。若林さんは、私とおなじJICA海外協力隊のOV(OB・OG)です。若林さんは早稲田大学を卒業して社会人になった後、女子栄養大学に入学して卒業し、その後、管理栄養士の資格を取得なさいました。(女子栄養大学短期大学部 若林槙さんのJICA活動紹介ページ)私が2011年の東日本大震災を機に食品企業を辞め、フードバンクのNPO、セカンドハーベスト・ジャパンの広報責任者になって活動していた際、ボランティアとして来てくださったのが出会ったきっかけです。海外渡航、しかも旅行ではなく、その地で暮らすこと、仕事するという経験は、何にも変えがたい財産になると感じます。パル通信は、サポートメンバーとして高校生も読んでいただいていますので、若林さんがパラグアイでの活動で体験してこられた記事を参考にしていただきたいです。
2月から賞味期限切れ70%引き ノルウェー大手スーパーが始める理由とは パル通信(158)
「パル通信」の読者の方から「海外情報を知りたい」というリクエストがあったため、海外の情報を増やしています。賞味期限切れ食品の販売に関しては、デンマークの「wefood」を皮切りに、世界各国でじわじわ増えています。日本でも「マルヤス」や「ecoeat(エコイート)」など、賞味期限が過ぎた食品を扱う店が増えています。でも、大手スーパーが賞味期限の過ぎたものを売るというケースは日本では見たことがありません。一方、ノルウェーでは、2024年2月1日から大手スーパーが賞味期限切れ食品を70%引きで販売を始めるとのこと。なぜこの実施に至ったかについて解説しました。ちなみに日本では、政府が備蓄している備蓄食をかつては入れ替え時に廃棄していました。が、2020年ごろから廃棄せずに寄付するようになり、中には賞味期限が過ぎた缶詰なども寄付の対象となっています。賞味期限=「品質が切れる期限」だと誤解している人も多いですし、「期限切れ」という言葉からネガティブな印象を持つ人が多いですが、「おいしさのめやす」に過ぎないということを理解すれば、いまある資源がもっと活かされると感じます。
オランダ企業と日立製作所の子会社がスーパーの食品ロス削減に挑戦した理由とは パル通信(159)
日立製作所の子会社がオランダ企業と連携し、スーパーの食品ロス削減に取り組んでいます。食品ロス削減においてはIT活用の分野が増えており、今年も内田洋行主催の食品ITフェア2024でITに特化した講演を依頼されています(今回で3度目)。また、キヤノンマーケティングジャパンでは毎年、新入社員の方々を対象にITと食品ロスに特化した講演、そしてそのあとにグループごとに分かれて「商品開発」を想定したディスカッションの取り組みをおこなっています。社会の仕組みや構造を変えるために技術を導入する、という取り組みが国内外で増えています。
以上、2024年1月に配信した記事のエッセンスをご紹介しました。
今日の書籍
福音館書店が毎月発行している、月刊予約絵本「こどものとも」の816号(3月号)。明日2月1日から1ヶ月間、書店に並びます。
タイトルを見たとき「どんな話なんだろう?」と思いましたが、短い文章の中に示唆が含まれていて、こどもだけでなく、おとなにとっても心を打つ話です。私の書いた本『あるものでまかなう生活』(日本経済新聞出版)にも通ずる内容だと感じました。なぜなら、このライオンには、たてがみが半分しかないのですから....さて、ライオンは、もう片方にもたてがみをつけて完璧な見栄えにしようとするでしょうか、それとも、今あるたてがみで十分だと考えるのでしょうか。自分にない長所を持っている仲間から学ぼうとする「はんぶんライオン」の謙虚な姿勢が印象的です。そしてこの3人の(1匹と1頭と1羽?)仲間の組み合わせも完璧!このキャスティングを担当した大原さん「すごい!」と思いました。
大原さんにとって、この本が4作目の絵本だそうです。イラストは、ボローニャ国際絵本原画展に入選された画家の猫野ぺすかさんが、「ウッドバーニング」という手法で描いていらっしゃるとのこと。ウッドバーニングとは、板に絵を焼き付ける方法なんですって。
大原さんは、新聞記者として17年間お勤めになられた後、フリーになられ、2008年から母校の津田塾大学で教鞭をとっておられます。私が大原さんを知ったのは、食品企業に勤めているとき。『フードバンクという挑戦 貧困と飽食のあいだで』(岩波書店)を出版され、これが私にとってのバイブルとなりました。この本は現在、岩波現代文庫として書店に並んでいます。フードバンクのことを学びたい方には大原さんのこのご著書を強くおすすめします。
今日の映画
監督 クリス・バック、ファウン・ヴィーラスンソーン
ディズニー100周年を記念した映画。冒頭に上映される特別版では、これまでの主要映画のキャラクターが登場して楽しく鑑賞しました(『ズートピア』のナマケモノと『ベイマックス』が気に入っています)。
みどころは、この映画の中に「オマージュ」が100以上ちりばめられているところ。まったく新しい作品であるにもかかわらず、ミッキーマウスやアラジンのランプなど、これまでのディズニー作品に登場したキャラクターや小物がこっそり隠されているそうです。中には監督も気づいていないオマージュもあるらしく、これから鑑賞する方は、それを見つけるのも楽しそうです。私は吹き替え版を見ましたが、オリジナルでも観てみたいと思いました。
昨今の政治の世界では、あまりにも不正義の"勝者"が多過ぎて....この映画のように「正義は勝つ!」「悪は滅びる」という真っ当な結末になると気持ちがスカッとします。誠実な人、まっとうな行動をした人が報われ、幸せになれる社会にしていきたいものです。
編集後記
怒涛の1月の講演が終わりました。1日おきに講演というのはなかなかキツいですね(下旬だけですが)。きのうの講演が終わったときに「来年度もお願いします」とおっしゃっていただき、うれしく思いました。主催者のみなさま、ありがとうございます。
2024年1月30日付の毎日新聞朝刊に「恵方巻きで考える食品ロス」と題した取材記事が掲載されました。もうすぐ恵方巻の季節。朝日新聞SDGsACTION!の連載記事では昨年2023年にも売れ残りと食品ロスに関する記事を書きました。
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写真左側、手前から、企画会社におつとめの内田真哉さん、theLetterを運営する株式会社OutNowの代表取締役、濱本至さん、株式会社アイクリエイトの粟田あやさん、外資系企業におつとめの柳田琴江さん、写真右側、奥から、日本ハム株式会社におつとめの宮本雅宏さん、早乙女晴子さん、筆者(イデルミ) 2024.1.9
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2024年1月31日
井出留美
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