2024年8月に最も読まれた記事 パリ五輪、余剰食料40トン以上を寄付、東京五輪はなぜできず
こんにちは。台風が鹿児島に上陸との報道がありましたが、九州のみなさま、ご無事でお過ごしのことをお祈りいたします。
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ニュースレター「パル通信」200号では、2024年8月に配信した記事のうち、最も読まれたものを含め、すべての記事のエッセンスをお送りします。いつもは毎月の末日に送るのですが、8月31日までに申し込むと電気代が3,000円安くなる招待コードがあるので、すこし早めにお送りします。
なお、現在、theLetter編集部が入力フォームを調整しているため、ニュースレターへの返信機能が一時的に使えなくなっています。いつもニュースレターのコメントを返信いただいている方には誠に申し訳ございません。私あてへのコメントはiderumiアットマークgmailドットコムまでお願いいたします(「アットマーク」を@に、「ドットコム」を.comに変えてお送りください)。
電気代が合計3,000円安くなる(2024年8月31日23:59までのお申し込み)
自然エネルギー100%の電気を提供するハチドリ電力。4年間使ってみてよかったのは
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毎月、メールで送ってもらえる電気代の明細が丁寧でわかりやすいこと
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自然エネルギーを使っているという気持ちの清々しさ
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毎月の電気代から自動振込みで社会貢献活動に寄付できること
です。「石油由来のエネルギーを使っていない」という自信にもつながります。我が家はベランダで太陽光発電もおこなっており、パソコンやスマートフォンの充電は太陽光発電でまかなっています。
2024年8月31日(土)23:59までに、招待コード hachi0254 を使ってハチドリ電力にお申し込みいただくと、合計で電気代3,000円が安くなります(運営固定費:税抜500円が6ヶ月間無料)。切り替えはネットで数分。今使っている電力会社に断る必要はありません。もし使ってみて、「やっぱりやめる」という場合も違約金はゼロだそうです。以下に、明細の例を貼り付けておきます。私はフードバンク活動を続けている団体に毎月寄付しています。
パリ五輪 余剰食料約40トンをフードバンクへ 東京五輪は9億円以上ムダに なぜこうも違うのか
2024年8月に配信した記事の中で、閲覧数が最も高かったのは、パリ五輪と東京五輪の比較記事でした(先月まで「開封率」を指標にしていましたが、今回、「閲覧数」を指標にしてみました)。ニュースレター「パル通信」197号では、パリ五輪では40トン以上の余剰食料をフードバンクに提供し、活用していたにもかかわらず、なぜ東京五輪では9億円以上の食料が無駄になったのかについて解説しています。同じように7月・8月の開催だったのに、なぜ東京ではできなかったのでしょう。ちなみに2016年に開催されたブラジル・リオの五輪でも余剰食品の活用がなされています。
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かつて生ごみリサイクル率2.6%だった韓国、なぜ98%の資源化に成功したのか
1996年ごろには生ごみリサイクル率が2.6%だった韓国。現在では生ごみリサイクル率が98%にも及んでいます。なぜ短期間にここまで伸びたのでしょうか。韓国の廃棄物政策は世界から注目を浴びており、デンマークや中国はツアーを組んで視察に来ました。ニューヨーク市は以前から韓国の政策を研究しており、今、生ごみを埋め立てずに活用する方向へ動いています(秋から義務化)。日本は高度経済成長期に「衛生的だから」「国土面積が狭いから」という理由で、ごみ焼却所をたくさん建設し、「燃やす」が前提となってきました。ですが、日本の4分の1しか国土面積のない韓国でできているのに、なぜ日本ではできないのでしょう。日本でも、いくつもの自治体が生ごみの資源化に取り組んでいます(首都圏含めて)が、韓国のように、国ぐるみの取り組みになることを願っています。
「分ければ資源 混ぜればごみ」
「世界一豊かな国」スイスで60%の食品ロスを減らしたスタートアップ企業の取り組みとは
2024年3月、国連の組織が発表したところによれば、スイスは、豊かさを示す指標が世界で最も高い「世界一豊かな国」でした。そのスイスで食品ロスを減らすために立ち上がったスタートアップ企業があります。その取り組みとはどのようなものでしょうか。この企業は、スイス国内より、スイス国外(世界)の企業で技術が採択されることを目指しているもようです。
気候変動対策、日本は世界何位?バイデン政権は気候変動対策でどのような成果を上げてきたか
この秋で、米国のバイデン政権は任期を終えます。世界資源研究所(WRI)が、米国の気候変動対策の優先項目10項目でどのような成果を上げてきたかについて分析しました。その結果について、英語記事をもとに解説をおこないました。
気候変動対策については世界ランキングが毎年発表されています。2024年、最新のランキングで、はたして日本と米国は何位だったでしょうか。
20年で茶農家が77%減。衰退する緑茶産業に新たな「夜」市場をつくる、35歳の挑戦とは?
静岡県在住の小鉢ひろかさん(本名:矢田裕香さん)に、茶農家の現状と、緑茶産業に新たな新市場を作る取り組みについて解説いただきました。応援消費の「Makuake(マクアケ)」で、新ブランドteleep(テリープ)の緑茶入り「スリープアイス」を販売されたタイミングで寄稿していただきました。3種類のフレーバーをすべて試してみましたところ、私は「冬摘み緑茶」の味が最もお気に入りでした。茶産業における食品ロスについても、小鉢さんに伺って初めて知りました。現場まで伺いたかったのですが、台風が来ているため、静岡までお伺いできませんでした。今年度中に、現地にお伺いできればと思っています。
BBCやCNNも注目、日本人経営、カンボジアのゼロウェイスト・レストラン訪問記
農林水産省ASEAN事業の一環で、カンボジア王立農業大学で2度目の講義をしてきました。食品ロスと気候変動についてのテーマです。その際、日本人がオーナーをつとめるゼロウェイスト・レストランを訪問してきました。カンボジア・プノンペンのほか、ベトナムやインド、日本でも展開しているレストランです。「パル通信」読者で、以前、インターンをつとめてくれていた桑原さんにも、事前に店のことを伺っていました。
今日の書籍
食品ロスのドキュメンタリー映画で『0円キッチン』というのがあります。ヨーロッパ5カ国で食品ロスを減らす取り組みを描いたロードムービーです。私はこの映画が2017年1月に公開された際、映画配給会社ユナイテッドピープルの関根健次さんらと、トークイベントなどを通して映画を知っていただく活動をおこないました。この本の編著者、アーヤ藍(あーや・あい)さんは、当時、ユナイテッドピープルの取締役副社長をつとめていた方です。長野県で育ち、慶應義塾大学時代にはアラビア語の研修でシリアに暮らしていたご経験があります。
この本にはアーヤさんがインタビューした5名の方が登場します。それぞれ、シリア、マーシャル諸島、マダガスカル、ウガンダ、グリーンランドに「旅以上、定住未満」で暮らしたことのある人たち。どの国も、日本からは物理的・心理的に距離が遠く、知らない人が多いでしょう。5人の方が、自然体で、その国の日常を語ってくれます。アーヤさんのインタビューと文章が秀逸で、5人の方たち本人が語っているのが文字から聞こえてくるみたいでした。5人の方は、その国をフラットな立場でとらえ、日本に伝えたいと、(基本的に)ひとりで、独立した形で伝え続けています。
本の装画は内澤旬子さん(内澤旬子さんの本もとても面白くて、以前、パル通信71号でもご紹介しました)。
私は5つのどの国も行ったことがないのですが、5人との共通点を見出しながら読みました。たとえば斉藤亮平さんはJICA海外協力隊で音楽隊員としてシリアに派遣された方。私もJICA海外協力隊のOV(Old Volunteer)として、シリアに派遣された音楽隊員の同期がいるなあ、とか、マーシャル諸島の映画をつくった大川史織さんは、父親が転勤族というのが共通しているなあ、など。マダガスカルでバニラの輸入販売を手掛ける武末克久さんは、福岡に住んでいたことがあるのが共通点。以前、やりとりしていたFAO駐日事務所長のチャールズ・ボリコさんは、今はマダガスカル駐在です。大平和希子さんはJICA海外協力隊でウガンダへ行かれた方。グリーンランドに遠征した遠藤励(つとむ)さんは、義父母の住む長野県出身の方。そして、2023年7月に他界された岡田林太郎さんは、アーヤさんから教えていただいた、もともと、この本を編集するはずだった方。
アーヤさんは、社会の中で、目立たないもの、メジャーではないところに目を向け、そのいいところを発掘して届ける(=配給する)のに長けている人だと感じます。私がボランティアで監事をつとめているおてらおやつクラブでは、食料を箱詰めするとき、丁寧に詰めていき、最後に手書きの手紙を入れます。2008年から食品ロス削減の活動に携わって以来、いろんなところで食料支援や食料の箱詰めを見てきましたが、こんなに丁寧に、赤ちゃんをさわるように、こどもをあやすように扱うのって、初めて見たように思います。アーヤさんも、これに通ずるところがあって、本や人を紹介してくれるとき、ものすごく丁寧に、愛情をこめて届けてくれようとする人。そんな姿勢が、社会的メッセージ性の強い映画の「配給」という仕事にぴったり はまったのだと思います。アーヤさんは、2018年に独立し、「映画探検家」として映画の配給・宣伝のサポートや、映画イベントの企画運営、雑誌やウェブサイトでのコラム執筆などに携わっています。この本を通してアーヤさんの旅するような暮らし方、そして、5つの国について、知ってほしい。本を通して旅してほしいと願っています。
井出留美さんに #世界を配給する人びと 出版のご報告をした時に、お勧めしてもらっていた本屋さん。
訪問するより前に選んで置いていただけてうれしかったのですが、今回おじゃました時に"飛び出し展示"してもらっていて、喜びがひとしおでした🍀
→続
映画と旅と人との出会い。それぞれから自分の心に集まった世界の"ピース"が、思いがけずつながったり、同じ形をしていることに気づいたりしてきました。
そんな「世界の重なり合い」を感じていただけたらと思い編んだ一冊です📖
お手にとっていただけたら嬉しいです🌼
今日の映画
監督:小津安二郎
出演:飯田蝶子、笠智衆、青木放屁、ほか
小津安二郎監督の映画は、無声映画時代からほとんど観ています。小津監督の定宿だった神奈川県茅ヶ崎市の「茅ヶ崎館」という旅館の「二番の部屋」にも泊まりました。
この映画、前に観たことあると思うんですけど、記憶力が悪くて忘れてて・・・改めて観たら、人情が伝わってくる、とてもいい映画でした。
7〜8歳くらいの男の子、幸平(青木放屁)は、一緒にいた父親と、東京・九段下のあたりではぐれてしまいました。笠智衆(りゅう・ちしゅう)演じる田代は、その子を連れて帰ってきます。でも自分は預かれない、というので、長屋の向かいに住んでいる、荒物屋のおたね(飯田蝶子)に無理やり押し付けてしまいます。男の子は寝しょんべんをするわ、ものを言わないわで、おたねは「このガキ」「めっ!」と怒ります。そんなふうに過ごす中でも、おたねは、だんだんと幸平に愛情がわいてくるのですが、そこに、はぐれてしまっていた父親が現われ・・・・
だんだんと情がうつっていく、その様子を上手に描いています。一緒にいるときには、その人の存在や、ありがたみに気づきません。もっとかわいがってあげればよかった、もっと大事にしてあげればよかった、親孝行すればよかった。でも、そう気づいたときには、相手は、もういなくなっているのです。人生でよくあることではないでしょうか。
編集後記
2024年8月27日付朝日新聞朝刊一面、コメ廃棄の記事、お読みいただいてありがとうございました。
8月27日付で気候変動に関する記事もYahoo!ニュースで書きました。2024年7月22日には、2023年の最高気温を上回る気温が記録されています。
news.yahoo.co.jp/expert/article… 「死ぬほど暑い」12万年ぶりの暑さの昨年を上回る 2024年7月22日は世界の平均気温が観測史上最高(井出留美) - エキスパート - Yahoo!ニュース 2023年8月20日、『「死ぬほど暑い」12万年ぶりの猛暑 なぜメディアは表層的な現象しか報じないのか』という記事を書い news.yahoo.co.jp
ベランダに遊びに来る一本足のイソヒヨドリのオス、弱っていたけど元気になってよかった。インスタグラムでその様子を紹介していたら、国内だけでなく、海外の方も心配してアドバイスくれたりして、なんだか人情を感じました。小さな鳥を可愛いと思い、大切に感じる人は世界じゅうにいるのですね。
2年前の2022年から執筆していた書籍が、ようやく2024年10月下旬に出版となります。
来月は、いよいよ米国出張!現地での会議や取材の様子について、パル通信でお届けしますね。
2024年8月28日
井出留美
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