2024年2月に最も読まれた記事 食品ロスの世界ランキング パル通信(165)
こんにちは。ニュースレター「パル通信」にご登録いただき、ありがとうございます。今回は2024年2月に配信した記事のうち、最も読まれたものを含め、すべての記事のエッセンスをご紹介します。また、「パル通信」サポートメンバー限定の第8回オンライン交流会を開催しましたので、その様子もご紹介します。なお、読まれた率=開封率のデータを活用しています。一般的なメールマガジンの開封率は平均16〜32%とのことです。2024年2月のパル通信は、平均開封率72%、最も高いものと低いものとの差が6.6%で、ほとんどの記事が70%台でした。
目次
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最も読まれた記事
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2024年2月配信記事その2
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記事その3
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記事その4
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第8回サポートメンバー限定交流会
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今日の書籍
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今日の映画
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編集後記
米ビジネス誌発表、食品ロスの世界ランキング、日本は何位?パル通信(163)
最も開封率が高かったのが、米国ビジネス誌が発表した、食品ロスの世界ランキングに関する記事でした。日本政府が発表した値との乖離があるので、それはなぜなのか、このランキングの信頼性についても解説しました。さて、日本は何位だったでしょう?
ちなみに、最近の「パル通信」は、その多くがサポートメンバー向け記事となっています。というのも、広く多く読んでいただきたいと思って記事を書いても、週一回配信していくと、サポートメンバーでない方の中には登録自体を解除されてしまう方もいらっしゃるためです。そこで最近は、月一回、このようなまとめ記事をお送りするのに留めています。theLetterのほかのニュースレターでも「回数が多いという意見が来たので、サポートメンバーのみ毎週の配信にしている」という話を伺いました。タイムリーに週一回の記事をお読みになりたい方、限定イベントや限定コミュニティへのご参加や参加者同士の交流をしてみたい方は、サポートメンバーにご登録いただけますと大変ありがたく、書き続ける上でも励みになります。企業や大学、自治体、NPOなど、多種多様な方が登録されており、サポートメンバー同士の交流や企業間の交流も生まれています。
食品ロス削減における障害者雇用のさまざまな事例 パル通信(164)
「ダイバーシティ」に関する記事のリクエストをいただきましたので、食品ロス削減における障害者雇用の事例について複数ご紹介しました。「食品ロス削減」と「障害者雇用」は、一見、意外な組み合わせに見えますが、調べてみると、いろんな事例がありました。実際に現場を見たこともあります。その企業の代表取締役社長は、障害者の方の働きぶりを高く評価しておられました。参考情報に関するリンクも20近くつけていますので、この分野に関心のある方はぜひ読んでみてください。
恵方巻2024 全国107店舗売れ残り調査、結果は?パル通信(162)
2019年から毎年実施している、節分の日の恵方巻売れ残り調査。第6回目となる2024年は、高校生や大学生から60代まで、10名以上の方が調査に協力してくださいました。
毎年の傾向として、スーパーや寿司店は売り切る店が多いものの、コンビニは2月3日の夜中でも70本以上売れ残っていることが多いので、今年は対象を大手コンビニエンスストア107店舗に絞りました。その結果について、経済損失や環境負荷、社会への影響について、「パル通信」サポートメンバーの高校3年生が分析してくれました。結果はどうだったでしょうか。
スーパーマーケットで売上120%、廃棄率1%を実現した方法とは パル通信(161)
中国地方・四国地方で合計106店舗のスーパーを経営するハローズ。食品ロス削減推進大賞で、最高賞となる大賞を受賞した企業です。ハローズでは、食品の廃棄率は2016年から年々減少しており、一方、売上や粗利に関しては右肩上がりに伸びています。はたして、どのような方法を実施して実現しているのでしょうか。その方法について、太田光一さんに解説していただきました。
「パル通信」の読者の中には、食品メーカーにおつとめの方のほか、スーパーやコンビニエンスストア、百貨店などの食品小売の方や、個人経営のお店の方もいらっしゃるので、食品の廃棄を減らして売上を伸ばす方法は参考になると思います。
第8回「パル通信」サポートメンバー限定交流会の報告
2024年2月25日(日)午前9:30-10:30、第8回となる交流会をオンライン(zoom)で開催しました。東京、千葉、神奈川、埼玉、富山、三重、京都、岡山などから、食品メーカー、管理栄養士、フードバンク、議員、大学職員、スーパーマーケット、電機メーカー、冷蔵庫収納家、大学院など、さまざまな立場の方11名が参加してくださいました。
日本ハムの宮本雅宏さんと、管理栄養士の松井順子さんから、賞味期限=おいしさのめやす であり、品質が切れる日付ではない、ということを広く知ってもらうための製品表示の事例についてお話しいただきました。その後、参加者から、賞味期限についてどうとらえるか、日頃どのように取り組んでいるかについてのお話しをいただきました。具体的には次のような意見が出ていました。
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60年以上農業に取り組んでいる80代の方から「今年(2023年)は暑すぎて、今までと同じように作れない」という声を聞いている。気候変動や気候危機の影響を実感する
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消費者庁の自見大臣のヒアリングを受けた。賞味期限が切れているものを寄付することについてどう思うかと質問を受けた。うちのスーパーでは106店舗全店舗が120団体に寄付している。寄付先の120団体に「賞味期限が切れているものを受け取るのはOKか、NGか」と伺った。すると110団体は「OK」で、「NO」と言ったのはたった10団体だけだった。多くの人は賞味期限はおいしさのめやすであり、8掛け(2割短くなっている)ことを知っているのではないか
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たとえパッケージに「賞味期限=おいしさのめやす」と書いても、はたして期限を気にして消費者が商品棚の後ろから取っているとは限らない。コロナ禍で、他人が触ったものを避けようとして、後ろから取っているのかもしれない
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当社スーパーでは商品を前から補充している。みんな、後ろが新しいと思っているから、棚の奥から取るが、それは実は日付が古いもの。冷凍食品も、平積みの下から新しいものを取ろうとするので、わざと上から補充するようにしている
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賞味期限の新しいものと古いものとで、消費者の目隠しテストをすると、半分以上の人は区別がつかない。兵庫県神戸市のコープこうべで豆腐の実験をしたらそのような結果が得られ「てまえどり」を推奨するようになった。ハンガリーではヨーグルトで同様の結果だった(区別つかない)
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議員活動のかたわら、こども食堂やフードパントリーを実施している。そこで食品スーパーから大量のパンを寄付されるが、消費期限1日前で、量が多くてさばききれない。こういうのは冷凍すればいいのだろうか?→フードバンクの方から「冷凍すれば1ヶ月は大丈夫」という回答あり
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電機メーカーの社員として、冷蔵庫と食品ロスに関することに取り組んでいる。今日は冷蔵庫の専門家の方もいて、いろんなヒントが得られて非常に参考になった
参加者からは「多種多様な意見が出ていてとてもよかった」「参加者の方とつないでほしい」などの意見があり、実際に食品メーカーとスーパーの方が、開催3日後の2月28日にオンラインで意見交換会をなさったそうです。お役にたててうれしく思います。
これまでは、コロナ禍ということもあり、読者の方が北海道から沖縄までいらっしゃるのでオンライン開催が主流でした。参加者の方から「対面で開催したい」という意見をいただき、第7回の交流会は対面で実施しました(2024年1月9日)。このときも食品メーカーやマーケティング会社、外資系企業や企画会社の方、theLetter編集部の方にご参加いただきました。サポートメンバー同士で何度もお会いしているという声も伺っています。このお店は私の行きつけで、半個室があって重宝しています。
2024年1月9日、第7回パル通信サポートメンバー限定交流会(お店の方に撮影いただきました)
興味ある方はぜひ仲間にお入りくださいね。
今日の書籍
『調査報道がジャーナリズムを変える』(田島泰彦・山本博・原寿雄、花伝社)
組織が発表した内容をそのまま伝える「発表報道」に対し、ジャーナリストやメディアが独自に取材や調査をして伝える報道を「調査報道」と呼びます。私は2019年から毎年、恵方巻の売れ残り調査をして記事を書いているので、興味深く読みました。中でも、マスメディアが警察におもねる姿勢、警察が伝えた内容をそのまま報道したら、実はそこに真実はなく、ジャーナリストの調査報道によって真実が明らかになった・・・という事例は、メディアリテラシーを磨かないと見せかけの報道にだまされてしまうと戦慄を覚えました。読書メーターにも、この本に関する数名の感想が書かれています。
本に登場するのがテレビ東京の阿部欣司さん。セブン-イレブン・ジャパン本部が弁当の値引き販売を加盟店に禁じていたことで、公正取引委員会の排除措置命令を受けました。その際、阿部さんが、既存の報道にとどまらず、独自に調査をして斬り込んでいく様子が、この本の中で紹介されています(p214-215)。本の著者は、「記者の問題意識によって埋もれていた事実や忘れ去られようとしていたニュースが再び甦る(よみがえる)」と書いています。今も現役でいらっしゃる阿部さんに、いつかお会いしたいです。
今日の映画
『WE ARE WHAT WE EATー未来につなぐ おいしい解決策ー』
監督:JUNYA TANAKA
出演:アリス・ウォータースほか
アリス・ウォータースさんは、フランス料理店「シェ・パニース」の代表です。1971年、カリフォルニア州バークレーにお店を開きました。地域の農家と、お客さんを直接つなぐという、米国では初めての飲食店です。アリスさんは飲食の分野ではよく知られており、昨年2023年秋に来日し、その様子を撮影した内容がドキュメンタリーとして自主上映されています。
私はクラウドファンディングで寄付をしたので、1月の先行上映で視聴しました。アリスさんが書いた書籍『WE ARE WHAT WE EAT』には、ファストフードが社会の文化にまで与える影響が指摘されていたので、書籍の方が、アリスさんの理念や思いがより深く理解できたと感じました。すでに70代となったアリスさんの来日は、おそらく今回が最後なので、映像として彼女の言葉や行動を知るのは貴重な機会です。アリスさんの翻訳本を出版した「海士(あま)の風」が、全国の自主上映回のスケジュールをnoteにまとめていますので、ごらんください。また、翻訳本『スローフード宣言』を読んでみたいサポートメンバーの方には抽選で1名さまにプレゼントします。メディアの「料理王国」には、アリスさんの翻訳本に関する内容が記事化されています。
編集後記
2月と8月は暇なはずなのに、スケジュールがてんこもりで忙しくなっています。
2月26日(月)は京王プラザホテルで法人会の方160名へ食品ロスに関する講演、そして文部科学省などで使われる食品ロス啓発ビデオの収録
2月27日(火)は企業の方からの取材
2月28日(水)は容器包装業界の方へ、包装技術による食品ロス削減の講演、そしてTBSの収録
3月1日から大阪と長崎に向けて出かけます。
3月2日(土)はおおさかパルコープのみなさまへ賞味期限と食品ロスに関する講演
3月3日(日)は奈良女子大学佐保会大阪支部の方へ、食品業界のキャリアと食品ロスに関する講演。(一般の方も受け付けていますので、関西の方はぜひ!天満橋のドーンセンターで13:30-15:00まで)参加希望の方お知らせください。
3月5日(火)長崎大学情報データ科学部主催でITによる食品ロス削減に関する講演
明日3月1日の15時ごろ、連載している朝日新聞SDGsACTION!に興味深い記事が掲載される予定ですのでご覧ください。
3月2日の15時から15:54、J-Waveの山口周さん・長濱ねるさんの番組で、拙著『捨てられる食べものたち』(旬報社)がとりあげられるようです。
目標2『飢餓をゼロに~飢餓を終わらせ、
食料安全保障及び栄養改善を実現し、
持続可能な農業を促進する』
井出留美さんの『捨てられる食べものたち』
を参考図書に考えます📚
📩j-wave.co.jp/original/bibli…
#bibliotheca #jwave MESSAGE TO STUDIO | NTT Group BIBLIOTHECA -THE WEEKEND LIBRARY- : J-WAVE 81.3 FM RADIO 山口周と長濱ねるがナビゲートするNTT Group BIBLIOTHECA -THE WEEKEND LIBRARY-で www.j-wave.co.jp
3月初めにはジャーナリストの高橋真樹さんの寄稿、サポートメンバー限定記事も予定されています。どうぞお楽しみに!
2024年2月29日
井出留美
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