気がつけば自分の名前の店ができていた 洋食イデルミ

ニュースレター「パル通信」227号では、2025年1月に配信した記事のエッセンスをご紹介します。
井出留美 2025.01.31
誰でも

ニュースレター「パル通信」をお読みいただき、ありがとうございます。講演や取材などをきっかけに、新しくご登録いただいたみなさま、はじめまして。

パル通信は、無料読者の方には月末の月1回、サポートメンバーの方には月4回お送りしています。内容としてはメインテーマ、今日の書籍、今日の映画、編集後記という構成になっています。

サポートメンバーになってくださったみなさまには、食品ロス削減のための啓発活動や、海外取材の費用をサポートいただけて、大変、助かっております(組織に雇用されておらず、毎月の給料を受け取っていないため)。活動を支援いただいていること、深く感謝申し上げます。

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本日1月31日(金)夜は、TOKYO MX(関東では9チャンネル)堀潤さんの番組に出演し、「賞味期限延長によって食品ロスは減らせるか」について解説します。そのあと、明日2月1日(土)静岡での講演に備えて静岡に向かいます。

2月2日(日)節分の夜は、恵方巻の売れ残り調査です。21時から24時までの間のどこかの時間帯で、1店舗でも参加いただける方はお知らせくださいね(すでにお知らせいただいた方、ありがとうございます!!!)。

2月7日は姫路で取材、2月8日は神戸で講演です。→お申し込みはこちら

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さてニュースレター「パル通信」227号では、2025年1月に配信したすべての記事のエッセンスをご紹介します。1月9日に洋食イデルミさ開催した、第11回サポートメンバー限定交流会のワンシーンも写真でご覧いただけます。

ちなみに第12回サポートメンバー限定交流会は、2025年3月26日(水)夜、東京都内で開催予定です。サポートメンバーの土肥将敦先生が最初にお話してくださいます。土肥先生は、食品ロスの研究に取り組む、法政大学教授でです(今月はドイツなどヨーロッパ渡航中でいらっしゃいます)。今の取り組みや、ドイツなどヨーロッパでの事例などをご紹介いただき、そのあと懇親会という流れになっています。現在サポートメンバーの方、今回新たにサポートメンバーにご登録いただいた方にご参加いただくことができます。対面の交流会の場合、参加人数は毎回6名か7名程度におさえて、じっくりお話できるようにしています。前回の第11回の時には告知1日で満席・キャンセル待ちとなりました。参加ご希望のサポートメンバーの方は返信機能(以下説明)でお知らせください。

記事に関してコメントがある方は、末尾の「コメント」機能をお使いください。ただし仕事のご依頼に関しては、こちらのコメント欄ではなく、公式サイトの申込サイトの入力をお願い申し上げます。コメントは、書き手のみに送る方法と、読者全員に送る方法があります。

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ミシュラン星付き名店で修業したソムリエの店「洋食イデルミ」1日1組限定

自分では知らなかったのですが、「洋食イデルミ」というレストランがある、と聞き、2024年12月、奈良女子大学での講演のあと、初めて行ってきました。イタリアンで長く経験を積んだ三浦修平さんの店です。三浦さんは、ミシュラン星付きの日本料理店でも経験を積み、2024年7月、洋食イデルミを開店されました。夜は1日1組限定です。

2025年1月には「パル通信」サポートメンバー限定、第11回交流会を「洋食イデルミ」で開催しました。この記事を何度も読みました、ぜひ行きたい、職場から近いので行きます、といったメッセージをいただいています。

三浦さんは、私がかつて取材して何度も書いていた、京都の100食限定で食品ロスを出さない「佰食屋」の記事を読んで私の名前を知り、イデルミという店名をつけたそうです。語感がいいということで、特に意味はなかったそうですが(笑)、取材記事がきっかけで名前を知っていただき、店名にしていただいていたのは生まれて初めての経験でした。写真つき記事ですので、お料理を(画面上で)お楽しみください!

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助成金で半額購入した生ごみ処理機を7年間、1800回使ってみた結果

洋食イデルミの記事もよく読まれましたが、こちらの記事も多くの方に読んでいただきました。日本の自治体のうち、55%以上で、家庭用生ごみ処理機の助成金制度があります。家庭用生ごみ処理機を半額で購入することができます(全額負担で購入したあと、お住まいの自治体に申請し、認可されれば半額もしくは3分の1程度の助成金をもらえる)。

私は2017年6月から使っています。2万円程度の家庭用生ごみ処理機をインターネット通販で購入し、自治体の助成制度で1万円程度で購入することができました。夏は生ごみのにおいがまったく気にならないし、コバエもほとんどこないし、ごみ量が激減するのでごみ出しの回数も減り、精神的にもすがすがしく、いいことづくめです。今回の記事では7年間、1800回使ってみた結果についてご紹介しています。

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2025年の食品ロス削減はこうなる!米国ReFEDが発表した5つの予測内容とは

米国のReFED(リフェッド)が予測した「2025年の食品ロス削減はこうなる!」について、翻訳した上で解説しました。昨年2024年9月、ニューヨークでの食品ロスの会議に参加した際、ReFEDの代表、ダナ・ガンダースさんにもお会いすることができました。

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トランプ氏は連邦政府の気候変動対策を阻止するかもしれない。が、前進の機会は残されている

第二次トランプ政権では、パリ協定からの離脱を発表しました。正式な離脱は来年2026年1月になるとNHKが報じています。第一次トランプ政権では、生活困窮者支援の予算を削減していましたが、今回の政権でも、同様の動きが見られます。

この記事では、世界資源研究所が予測した、第二次トランプ政権で、食品ロス削減をはじめとした気候変動対策がどうなるのか、食料支援策はどう動くのかなどについて、解説しています。

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なぜバイデン政権は子どもの貧困を半減させ食料不安を26%削減できたのか

米国ホワイトハウスが発信した、バイデン政権が何を達成してきたのかについて、翻訳して解説した記事です。子どもの貧困の半減については、日本ではほとんど報じられていないかもしれませんので、ぜひお目通しいただければ幸いです。

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今日の書籍

原発不明がんのため、先日67歳で他界された森永卓郎さんの著書です。財務省に関する真実を暴いた『ザイム真理教』の原稿は、大手出版社に断られ続けたそうです。そうして3ヶ月が過ぎた頃、あきらめきれず、三五館シンシャの中野長武社長にメールしたところ

「この原稿は世の中に問う価値のあるものだと思います。ぜひ出版しましょう」

「一緒にリスクをかぶりましょう」

と言ってくれて出版が実現し、出版部数は10万部を超えたそうです。

この三五館シンシャは、三五館という出版社が倒産した後、中野社長が一人で立ち上げた会社とのこと。「シンシャ」には「新社」と、支えてくれた人への「深謝」の意味が込められています。そんな出版社から出版された本です。この本を紹介する販売サイトには「ザイム真理教を上回る衝撃作!」と書かれています。

ほとんどの人が、知っていてもリスクをとりたくないがために口をつぐむ事実がいくつもあります。その事実について、森永卓郎さんは、自分がリスクをとってでも書いて世の中に残しました。社会を良い方向に変えたいと願ったからで、森永卓郎さんの姿勢を尊敬しています。私は森永さんにはとても及びませんが、世の中の理不尽な仕組みはすこしでも変えたいと思って活動を続けています。今度の新書(編集後記)に、少しだけ無理をして勇気を出して書いた部分があります(気づいてもらえるかな...)。

森永卓郎さんのご冥福をお祈り申し上げます。

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今日の映画

監督:相米慎二

出演:中井貴一、桜田淳子、田畑智子、笑福亭鶴瓶

1993年に公開された、故 相米慎二監督の映画『お引越し』。4Kリマスター版が2024年12月末から劇場で公開されています。中井貴一さんと桜田淳子さんが演じる夫婦の娘レンコ役、田畑智子さんは、この映画がデビュー作。12歳の時、相米慎二監督にスカウトされました。

田畑智子さんは、もともと京都・祇園の老舗料亭「鳥居本」の娘さんで、相米慎二監督に声をかけられ、8,253名の中からヒロイン役を射止めました(というか、本人はそれを狙っていたわけではないのですが)。この映画で新人賞をたくさん受賞しているだけあって、瞳や表情が引き込まれるほど美しく、りりしい印象を受けます。壊れかけている家庭をなんとか修復しようと奔走する小学生を演じています。演じているように見えないくらい自然体です。

映画の中での田畑智子さんの表情、そして1993年当時に販売されていた食品がどのようなものだったか、ご注目ください。

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編集後記

ちくま新書『私たちは何を捨てているのか ー食品ロス、コロナ、気候変動』(筑摩書房)が3月上旬に出版されます。予約がスタートしています(以下リンクより)。

昨年10月末に出版社から依頼をいただき、11月から年末年始をはさんでのこの3ヶ月間、ずーっと忙殺されていました。新書は今回で3度目ですが、毎回、キツいです。今回の新書、2度目のゲラ校正が昨日1月30日に終わりました。どうか多くの方に広まり、すこしでも貢献できますように・・・・。

2025年1月31日

井出留美

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