声帯炎になって2週間 声が出なかった 何が最も効果があったか 即効性はなくても治す方法
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今月12月は、すでに4回配信しましたので、今回の287号は「おまけ(番外編)」として、今月、声帯炎になって2週間以上 声が出なくなった経緯と、声が出ない時にどのような方法が効果があるのかについて、今後、同じような経験をするかもしれない人の参考になるよう、書き残しておこうと思います。
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<目次>
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声帯炎になった時期
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声帯炎になってからの経緯
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自分で購入した薬や食品
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気持ちの持ち方
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何が最も効果があったか
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講演など声を出す仕事の乗り切り方
声帯炎になった時期
2025年12月5日(金)に90分の講演、12月6日(土)に100分の講演をした後、12月7日(日)の朝、声が出ないことに気づきました。2023年1月2日から、ほぼ毎日続けているオンライン英会話で声が出せないのです。
この日は日曜日だったので、家の近くで日曜日に診療している耳鼻咽喉科を探し、診療を受けました(後述)。
12月は全部で7回講演予定があり、声が出なくなってから、まだ5回の講演予定が残っていました。
声帯炎になってからの経緯
2025年12月7日(日)声が出ないため、朝のオンライン英会話は筆談で受け、午前中、耳鼻咽喉科へ行き、診療を受けました。
鼻からカメラを入れて撮影したところ、声帯の奥が腫れているとのこと。処方された5日分の薬は以下。
抗生物質(プレドニゾロン錠「タケダ」5mg)と細菌感染治療薬(セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg)、胃の粘膜を保護する薬(テプレノンカプセル50mg「トーワ」)、腸の働きを整える薬(ビオフェルミンR錠)、痰を出しやすくする薬(カルボシステイン錠500mg「トーワ」)、喉の痛みや炎症を抑える薬(トラネキサム酸錠250mg「YD」)
2025年12月8日(月)声が出ないので、朝のオンライン英会話は筆談で受講(以下、毎日同じように受講)。15時30分から60分間、外資系企業の広報誌のインタビューを受けることになっていたので、あらかじめ、前日のうちに質問に対して回答を書面で書き、Q&Aを先方へ送っておきました。インタビューは対面で、3名と。書面の回答だけでは不足する部分については口頭で補足しましたが、この時点では、ささやき声しか出せませんでした。
筆談に備えるため、文房具店で、スケッチブックと黒のマジックマーカーを購入。
鍼治療が声の出とのどにいいと聞き、急遽、この日の19時に近所の鍼灸院へ行き、スケッチブックとマーカーを使って筆談で状況を伝え、鍼治療を60分弱、受ける。
2025年12月9日(火)朝のオンライン英会話は筆談で。11:30から2時間、食品ロス削減全国大会で一緒だった全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会会長の崎田裕子さん、日本ホテル顧問の松田秀明さんとの会合。ささやき声しか出せない状態なので、伝えたいことについては、スケッチブックにマジックで書いてお二人に伝える。
2025年12月10日(水)地球温暖化防止全国ネットの会(東京駅近く)で15分間の講演と45分間のパネルディスカッション。あらかじめ主催者の方には状況を伝えておいて、音声が伝わりやすいマイクを準備しておいていただきました。ただし、ささやき声しか出せず、80名いる会場の後ろの方には伝わったかどうか...。
パネルディスカッションでは、スケッチブックにマジックで書いて、ファシリテーターの方に読み上げていただく筆談形式でおこないました。
2025年12月11日(木)処方された薬は5日分だったが、それを飲み終わろうとしても、まだ声が出ないため、日曜日に受診した耳鼻咽喉科で再び診療を受けました。処方された薬は7日のと同じ。ただし、抗生物質は強いものを1日2回服用しており、これ以上、強いものを続けられないから1日1回に減らされる(4年前の12月6日にのどの痛みでここを受診した際は、抗生物質は出ず、トラネキサム酸のみでした)。
2025年12月12日(金)facebookを通して、以前、同じように声が出なくなった方から、ステロイドの点滴を受けるといいと聞きました。前日11日に行った耳鼻咽喉科では点滴をしないため、自宅からタクシーで行ける別の耳鼻咽喉科へ行き、点滴を受けました(後述)。この日まで、夜中にのどの痛みで咳き込んで眠れなかったのが、少しだけ、ましになった気がします。
午後13:10から14:40までは毎月出席している東京大学農学部広報室会議に出席(対面の予定でしたがオンラインに切り替えて出席)。
午後16時から18時までは内閣府ムーンショット評議委員会。こちらも川崎市で対面出席の予定でしたが、オンラインに切り替えて出席。体がしんどいため、横になりながら出席しました。
2025年12月13日(土)東洋英和女学院大学大学院で90分間の講義(60分講演、30分Q&A)。対面予定をオンラインに切り替えて実施。あらかじめ、事情を説明したところ、授業を担当される先生も昨年、同じように声が出なくなり、AIを活用されたとのこと。事前に講演で話す内容をワードに書いておいて、AIに読み上げてもらう方法をとりました(Macの場合、Optionキー + Escキーで読み上げスタート)。
質疑応答についてはzoomのチャット欄に書き込み、それを先生に読み上げていただきました。
この日の講演では、先生方や職員、参加した大学院生のサポートのおかげで、いっさい声を出すことなく、講演をおこなうことができました。この日は社会人大学院生の方が多く、私と同様にJICA海外協力隊に行かれた経験のある方がいたとのこと。会場で直接話すことはできませんでしたが、オンラインに切り替えていただき、声も出さずにおこなったため、心身はラクな状態で助かりました。
2025年12月14日(日)この日は46歳で他界した父の命日。特に何をするわけではなく、簡単な料理をしました。
2025年12月15日(月)千葉県市原市議会で90分間の講演(80分間の講演、10分間の質疑応答)。この日は自宅から往復4時間以上かかる現地まで行き、おこないました。9日にお会いした崎田裕子さん、松田秀明さんとは、ここのところメールでやり取りしていたところ、崎田裕子さんが、私のサポートのために、市原市議会まで来てくださるとのこと。会場では、崎田さんにパワポを送ってもらい、私はワードをAIに読み上げさせ、質疑応答に関してもワードに書き込んでAIに読んでもらう方式でおこないました。
崎田さんの事務所から市原市議会までは往復4時間以上かかる場所ですが、サポートしていただいたおかげで精神的に、とても助かりました。
この日は、食品ロス削減全国大会のおつかれさま会ということで、私が予約しておいたお店で10名の貸切食事会の予定でした。幹事もできなくなったため、松田秀明さんがピンチヒッターで幹事を引き受けてくださいました。
2025年12月16日(火)12月7日から声が出なくなって、10日目。まだ声が出せません。そこで、facebookで教えていただいた、東京都内の専門病院へ初めて行きました。行ったのは、国際医療福祉大学東京ボイスセンター。山王メディカルクリニックの中にあります。銀座線の青山一丁目駅が最寄駅。4番南出口から出て、横断歩道をわたってすぐのところ。
予約なしで、朝一番(8:30〜)行きました。マイナンバーカードを登録し、6階へ。
朝9時には先生の診療を受ける。カメラでの診察結果は「声帯炎」。声帯の奥が腫れていて、偽膜(ぎまく)というかさぶたのようなものができている。炎症を抑えるため、ステロイド点滴と、抗生物質の点滴、それぞれ15分ずつおこなう。
また、声を出すためのリハビリを受ける。大きく2つあって、1つは、ハミング法。口をとじてハミングして、ハミングをしながら「のおー」「もおー」などの母音の音を出してみる。
もう1つは、ぶくぶく法(水中発声法)。水の入ったペットボトルにストローをさし、ぶくぶく音を立てながら「ふー」「うー」と、ラクに声を出す方法。
処方された7日分の薬は以下。
扁桃腺のはれや口内炎を治す薬(トラネキサム酸錠250mg「YD」)、ビタミンC(シナール配合錠)、気管支喘息の症状を改善する薬(リザベンカプセル100mg)、胃粘膜の血流をよくする薬(レバミピド錠100mg「オーツカ」)、胃酸分泌を抑える薬(ラベプラゾールNa錠10mg「トーワ」)、のどの痛みやはれをやわらげる漢方薬(ツムラ138桔梗湯エキス顆粒)、トローチ(オラドールトローチ0.5mg)
2025年12月17日(水)東京都内の専門病院、国際医療福祉大学東京ボイスセンターへ。前日に続き、再び、ステロイドの点滴を受ける(抗生物質の点滴はなし)。声を出すためのリハビリもおこなう。
2025年12月18日(木)東京都内の専門病院、国際医療福祉大学東京ボイスセンターへ。2日間連続で点滴を受けたことで、声帯の炎症が、かなりおさまっているとのこと。先生によれば、ここまで来れば、点滴は必要なく、内服薬に変えましょうとのこと。
新たに処方された5日分の薬と外用薬は以下。
炎症やアレルギーの症状を抑える薬(ベタメタゾン錠0.5mg「サワイ」)、のどの炎症や腫れを抑える吸入液(歌手用吸入液80ml、ステロイド抜き)。
精神的に不安定になっていたため、スマホのメールに届いた「iCloud自動更新の失敗のお知らせ」という不審なメールに対し、疑いもせずクレジットカード番号を入力してしまう。ああ!
カード会社に至急電話し、カード機能を止めてもらい、新たなカードを作り直し。
2025年12月19日(金)東京都内の専門病院、国際医療福祉大学東京ボイスセンターへ。先生に診てもらったところ、声帯の腫れがなくなっているので、もう翌日に予約をとる必要はないとのこと。
午後13時から15時まで、水産庁の委員会に出席。霞ヶ関で対面出席の予定だったのを、事前にオンライン出席に変更してもらっておいた。
2025年12月20日(土)翌日から奈良出張のため、自宅でゆっくり過ごす。料理のみ。咳が出る。
2025年12月21日(日)13冊目となる著書『おやつのおぼうさん』の出版記念イベントで奈良・東大寺へ。万全だったが、近鉄奈良駅からのタクシーの車内で、声を出すとつらい状況。
60分間のトークイベントだったので、この時もAIを使いながら、肉声(かすれ声)で話す。
2025年12月22日(月)奈良市長や奈良市議、奈良市役所の職員の方向けに、「生ごみ削減で実現する奈良市の環境負荷に対する提言」と題して90分間の講演(60分講演、30分Q&A)。
90分間、声が持つかどうかこころもとなかったので、最初の30分間でパワポ全体をAIに読み上げてもらい、次の20分程度で、今回りクエストいただいた生ごみ対策や京都市の事例などについて肉声で説明し、30分間のQ&Aについては自分で対応する。
2025年12月23日(火)講演がすべて終わったので、朝のオンライン英会話で、17日ぶりに声を出して受講(12月7日から22日までは、毎日のオンライン英会話は筆談で受講)。
2025年12月24日(水)23日の夜18:20ごろ、朝日新聞の記者から連絡があり、急遽、賞味期限に関することでインタビューしたいとのこと。24日の13時、最寄駅近くの会議室で60分間のインタビューを受ける。このときも、かすれ声。AI読み上げを使うかもと思い、パソコンも持参。
2025年12月25日(木)『JA広報通信』の方より、食品ロス特集の記事2ページの監修と、監修者コメントの依頼があり、引き受けて、記事の監修内容と執筆コメントをお送りする。
2025年12月26日(金)書き仕事や講演の主催者との連絡など。ずっと休んでいたジムのプールに久しぶりに行く。
2025年12月27日(土)自宅にて仕事。ほぼ声は出るようになったが、まだ、すこし咳き込むのと、しゃべると、かすれ声になる状態。
2025年12月28日(日)自宅にて仕事。まだ、完全に治ったとは言えないが、声は出るようになった。
自分で購入した薬や食品
耳鼻咽喉科やボイスセンターで処方された薬のほか、自分で購入した薬や食品、facebookで紹介されて使ったものを紹介します。
桔梗石膏
ボイスセンターでは、ツムラの漢方薬、桔梗湯(ききょうとう)が処方されました。以前、風邪でのどを傷めたとき、ドラッグストアで薬剤師さんに桔梗湯を勧められました。
この桔梗石膏は、桔梗と石膏の2つの生薬を配合したものです。
桔梗は、気管や気管支にたまった痰を除去する働きがあるそうです。
石膏は、炎症を鎮める働きがあります。
写真のものは錠剤でした。20年以上前から漢方薬を飲んでおり、それを処方してくれる中医師さんにも桔梗石膏を勧められたことがあったので、桔梗石膏の粉薬も持っていました。錠剤を飲まない時には粉末をお湯で溶いて飲んでいました。
響声破笛丸(きょうせいはてきがん)
漢方薬の「響声破笛丸(きょうせいはてきがん)」は、声の出し過ぎなどによるしわがれ声や、のどの不快感を改善する役割があります。
この中にも「桔梗」が含まれています。また、「大黄(ダイオウ)」が含まれているので、お腹がゆるくなり、便通が促進される傾向があります。
これは、夜中に咳き込んで眠れないとき、これを水で溶いて、うがいしてから飲んでいました。この「うがいしてから飲む」のは、中医師の先生に教わった飲み方です。
甘味が感じられたのは、この中に人工甘味料が含まれているからのようです。下の写真の、緑の箱がジェーピーエス製薬の「響声破笛丸(きょうせいはてきがん)」です。
同じ生薬を使っているもので、小林製薬の「コエキュア」もあります。ジェーピーエス製薬の1日分(7.5g)と、小林製薬の1日分(6g)を比べてみると、響声破笛丸エキスの含有量は、ジェーピーエス製薬が5.54g、小林製薬が3.5gなので、ジェーピーエス製薬の方が多いようです(ほかの成分についてはすべて同じ量)。
ただ、小林製薬の公式サイトに描いてある声帯のイラストはとてもわかりやすいです。私自身の声帯も、声帯炎の発症当初は、左のイラストのようになっていました。
クローブ(スパイス)
スパイスの「クローブ」を、歯ぐきとほっぺたの間に入れるという方法。これはJICA海外協力隊フィリピンの先輩隊員が教えてくれました。facebookで、篠崎朗さんが投稿していたのをシェアしてくれました。
クローブの効能として、抗酸化作用や胃腸を温める作用、抗菌作用、鎮痛作用などがあり、歯医者では鎮痛用や歯の詰め物に使われているとのこと。
確かに、口に入れていてもしゃべることができるので、小瓶に詰め替えて持ち歩き、講演で試してみました。咳が出て眠れない夜は、クローブを1片ずつ、両頬に入れて寝たこともあります。
クローブ(筆者撮影)
話しながら使える貼り付くトローチ
講演を頻繁にしている方が使っていると聞いて、ドラッグストアで3種類買ってみました。大鵬薬品工業株式会社が販売している「PITAS(ピタス)」というトローチです。
フィルム状で、のどにペタッと貼り付くので、講演中にも使うことができます。風味の違うタイプを3種類買って、講演中などに使いました。接客業など、口臭を気にする人にも向いています。
プロポリススプレー
年間100回以上も講演をする方が、プロポリススプレーを使っているということで購入しました。小型で持ち歩きができて、のどの奥にスプレーすることができます。1日に5回から10回程度、使えます。複数のメーカーが製造しています。
ルゴール
ヨウ素やグリセリンを含んだ溶液、ルゴールも使いました。最初に行った耳鼻咽喉科でも、ルゴールを塗ってもらうことで、のどの奥の痛みがラクになりました。
小林製薬から「のどぬ〜る」という製品が出ています。自分でやると、どうしても手加減してしまいがち。のどの奥に塗ろうとすると「ゲーッ」となってしまいますが、我慢してでも、奥に直接塗れると効果があります。
プロポリスのど飴
プロポリス含有ののど飴は各社から発売されています。味が強くて舐めづらいものもありますが、カンロと国立(くにたち)音楽大学が共同開発した「ボイスケアのど飴」は、プロポリス含有でありながら果実エキスが含まれているので、舐めやすいです。ほかに、枇杷の葉や、桔梗、生姜、オリーブの葉、カンゾウ、ツリガネニンジン、シナカラスウリなどのハーブエキスも含まれています。ただし、原材料の含有量としては砂糖と水飴がトップ2で多いですから、舐めすぎによる砂糖のとりすぎに注意。
ロッテ カリンのど飴
ロッテのカリンのど飴は、甘さ控えめで、のどにやさしい感じで、これも小袋に入れて持ち歩いていました。
ミンティア プラスボイス
Facebookで教えていただきました。ミンティアプラスボイス。歌手や声優の方が使っているとのこと。原材料としてはキキョウエキスパウダーが最も多く、しょうがパウダー、ヒハツエキスパウダー、プロポリスエキスパウダーが4大成分となっています。(人工甘味料使用)
花梨エキス
花梨のエキスがのどに良い、ということで購入しました。私の場合、かなり、のどの痛みが激しかったので、このまま原液を飲むと、のどの痛みがやわらぐ感じがしました。通常は、お湯やお水で割って飲むと良いようです。
イソジンうがい薬
イソジンのうがい薬も購入してうがいしました。声帯炎で、しかも偽膜(かさぶたのようなもの)ができている状態なので、うがいだけではなかなか声が出るようにはなりませんでしたが、日頃からの養生としては良いと思います。また、緑茶でうがいをするのも以前、母親から勧められました。
龍角散
龍角散も、実家で暮らしている小学生の頃からおなじみの常備薬です。成分までくわしく調べたことはありませんでしたが、公式サイトを見ると、これにも桔梗が使われているんですね。
「龍角散」は、鎮咳去痰作用を活発にする生薬(キキョウ・キョウニン・セネガ・カンゾウ)のみを有効成分とする生薬製剤です。水なしで服用、微粉末生薬成分がのど粘膜に直接作用して、衰えた線毛運動を正常に戻し、せき、たん、のどの炎症による声がれ・のどの不快感・のどの痛みをやわらげます。
最近では龍角散のど飴も発売されており、こちらも舐めてのどをうるおしました。
生姜のすりおろしと蜂蜜
これも伝統的な「おばあちゃんの知恵」で、生姜のすりおろしに蜂蜜をかけたものを飲みました。のどが痛いときには生姜は効きますね。ちょっと、ひりひりする感じで、一度でやめてしまいましたが・・・
ユーカリのアロマエッセンス
鍼の先生から勧められて、ユーカリのアロマエッセンスをたらして、その香りを嗅ぎながら、講演の原稿をWordに入力していました。のどの痛みをやわらげてくれる効果があるようです。
有機スロートコートのティーバッグ
12月15日に千葉県市原市議会で講演する際、声が出ないため、あらかじめ講演の原稿をワードに入力し、それをAIに読み上げてもらう形でおこないました。
講演が終わってから、市原市議会の女性職員の方から、この有機スロートコートのティーバッグをいただきました。原材料として以下のものが書かれています。
有機エキネシアの根や有機リコリスの根、有機マシュマロウの根と葉、有機フェンネル、有機オレンジピール、有機シナモン樹皮、有機レモンピール、有機レモンマートルオイル
講演ではサポートいただいたものの、どうあがいても声が出せない不甲斐なさと、きちんとしたパフォーマンスができない申し訳なさでいっぱいだったので、この贈り物は体と心に染み入るようなうれしさがありました。21日・22日の奈良講演でも、このお茶を持っていきました。
熱湯を入れてから15分間ぐらい蒸らすとよいようです。オリジナルのフレーバーと、レモンエキネシアのフレーバーの2種類があります。米国原産で、埼玉県日高市のアリサン有限会社が輸入し、インターネット通販などで購入できます。成城石井の店頭でも販売しています。
加湿器
毎年、冬の時期に使うようにしていますが、今年は使い始めるのが遅かったかな・・・12月に入ってから使い始めました。のどを大切にする人には必須です。
スイス・ボネコ社の気化式加湿機ボネコを使っています。通販生活で購入しましたが、こちらでは販売終了したとのこと。ボネコ社の公式サイトをご覧ください。
マフラー
声帯炎になってからは、ずっと首に巻いています。のどをあたためるのも必要のようです。
吸入器
最初に診療を受けた耳鼻咽喉科で、2度目に行った際、キュバール50エアゾールという吸入器を処方してもらいました。今も使っています。
気持ちの持ち方
12月5日に90分、6日に100分講演のあと、7日から声が出ず、その状況下で10日、13日、15日、21日、22日と講演予定があったため、精神的にプレッシャーとストレスがありました。
Facebookに12月7日と11日に状況を投稿したところ、7日にコメント40件以上、11日にコメント30件以上いただき、いろんな方がいろいろな方法を教えてくださいました。なにごともなければそのような人の優しさに触れることはないので、ありがたい機会でした。
また、最初の職場であるライオン(株)時代の先輩、中川敦仁さんが、私の(会社の)公式サイトをAIに読み込ませて5分間の講師紹介動画を急遽つくってくださいました。大学院の講義と市議会の講演では、これを最初に流して観ていただきました。
声が出ないとなると、どうしても「出ない」「ない」ところに神経が集中してしまい、ネガティブな気持ちになりがちです。できるだけ、「ある」ものに気持ちを持っていくように心がけました。たとえば、「聞くことができる」「食べられる」「歩ける」「筆談できる」「生きている」などです。
スケッチブックとマジックマーカーを持って、タクシーに乗るときも筆談、駅のホームで電車や乗り場について聞くときも筆談、医者に行ったときの窓口でも筆談。そんなとき、人の優しさが感じられました。
高校の同級生に聾唖の弁護士、田門浩さんがいます。彼のことも思い出しました。話せない、耳が聞こえない状態で、弁護士試験に受かるまで、どれだけ大変だったか。
彼は2025年から2029年まで国連・障がい者権利委員会の委員にも選ばれました。この機会に調べてみると、手話通訳が不可欠にもかかわらず、国連は「財政難」を理由に、2名必要な手話通訳者のうち、0.5名分の経費しか出していないとのこと。いま自己負担でまかなっており、2026年3月まで日本障害フォーラムが120万円の募金を呼びかけていることを知りました。微力ながら寄付しようと思います。
何が最も効果があったか
最も効果があったのは、東京ボイスセンターで受けたステロイド点滴だったと思います。12月16日・17日と2日間連続で点滴を受けることによって、声帯の奥の腫れと炎症がかなり治まり、色も赤かったのが白くなりました。
風邪などでのどを傷めてしまった人は別として、声を使う仕事の人で声帯炎になってしまった方には国際医療福祉大学東京ボイスセンターをお勧めします。ボイスセンターは、山王メディカルセンターの6階にあります。最寄駅は、銀座線の青山一丁目駅、出口は4番の南です。
予約がなくても、急を要する場合は直接行って、受付の方に相談してみることをおすすめします。リハビリでは、ハミング法と、水中発声法を教わります。facebookで、(のどからではなく)鼻から声を出す、というのを教えていただいたのですが、ハミング法もそのような感じです。
ここではリハビリを受けることもできるので、劇団四季の俳優さんやアナウンサーなど、声を商売道具にしている人が通っているそうです。
ここで、のどの健康について注意すべきこと、おこなったほうがよいことを聞きましたので、以下に示します。
<声を使いすぎないために>
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長話や大声を出すのを控える
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騒音下で話すのをやめる
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咳払いをやめる
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用件は短く、相づちのみで、電話は控える
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相手に近づいて手が届く範囲で話す
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マイクを使う
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痰をとるときには声を出さない
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つば かお水を飲む
<声の出し方>
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不自然な高さの声や、ささやき声で話すのをやめる
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のどや肩に力が入っているときには声を出さない
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ひと息で長く話さない
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出しにくくても、いつもの声で話す
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黙って動作をする
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力を抜いて声を出す
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間をとり、息継ぎしながら話す
<のどの健康>
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のどを冷やさないようにする
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のどを乾燥させないようにする
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煙やほこりを吸わないようにする
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のどを刺激するもの、粉っぽいものを避ける
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マフラーやマスクを使う
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吸入器でのどを潤す
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2リットルをめどに水分摂取する(ノンカフェインやあたたかいものおすすめ)
<精神や身体の健康>
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心や身体が疲れているとき、病気のことは無理に話さない
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睡眠や休養をじゅうぶんにとる
講演など声を出す仕事の乗り切り方
あくまで私の場合ですが、AIで作っていただいた講師紹介動画(5分間)を流し、そのあとは、Word(ワード)に入力した講演原稿をAIに読み上げてもらいながら、パワーポイント資料を送っていきました。
Macのパソコンを使っている場合、システム設定の「アクセシビリティ」に「読み上げコンテンツ」という項目があります。ここで、声の種類を選びます。ワードで読ませる部分を選択させ、OptionキーとEscキーを同時に押すと、読み上げがはじまります。
質疑応答については、対面の講演では、ワードに答えを書いたものをAIに読んでもらいました。zoomなどオンラインの講演では、チャット欄に答えを書き込み、それを主催者の方に読み上げてもらいました。
「AI音声読み上げ」などで検索してみると、自分に合った方法が見つかると思います。
claude というAIを、オンライン英会話の先生に以前教えてもらったので、これで、読み上げる方法について聞いてみたりしていました。
以上、声帯炎で2週間以上、声が出なかった際の対処法などについてお伝えしました。この記事が、いつかどなたかのお役に立てることを祈っております。
今日の書籍
難病を治すという川井鍼灸院。小泉元首相や、IKKOさんなど、タレントや著名人、政治家なども通うという鍼灸院だそうです。今回の件で教えてもらいました。電話予約のみ、とのことで、声が出ない状態では予約できなかったのですが、公式サイトにこの病院に関する書物があり、読んでみました。
この本の著者、岡田幸夫さんは、院長の川井さんとご友人の関係。現在は栃木県に住みながら、取材のときだけ東京・六本木に出てきて川井さんの本を書いてきました。
視力を失いながらも希望を失わずに生きる川井院長の生き様や人間的な魅力が描かれている本です。
今日の映画
監督:アリ・アスター
出演:ホアキン・フェニックス、ペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラー
舞台は2020年、コロナ禍のニューメキシコ州の片田舎の町エディントン。ロックダウンされた町には、感染への不安と不自由な隔離生活への不満が充満しています。
ぜん息の持病があり、マスクの着用義務に反感を抱いている保安官のジョー(ホアキン・フェニックス)がマスクなしでスーパーに入ると、買い物客たちから白い目を向けられます。ちょうど西部劇で、よそ者がバーの扉を開けて入ったときのように。
保安官のジョーは「マスク着用義務」をめぐって町長のテッド(ペドロ・パスカル)と対立し、町長選に立候補することを衝動的に決めてしまいます。
立候補はしてみたものの、ジョーには町民に訴える政策はありません。そこで町長の過去のスキャンダルを暴くという手段をとることに。
しかし、それはジョーの妻ルイーズ(エマ・ストーン)と町長とのあいだの昔のスキャンダルを利用するというものでした。傷ついたルイーズはジョーのもとを去っていきます。
恋のさやあてに「Black Lives Matter」運動を利用した若者たちは、フェイク・ニュースを武器に憎悪を駆り立て、エディントンは炎上。暴力はさらなる暴力を呼びこんで──。
コロナ禍の閉塞感をうまく利用した現代の西部劇にできそうな素材なのに、アリ・アスター監督は観客の想像力もおよばない(そして必ずしも観客の望んでいない)地平に引っぱり出します。
デヴィッド・フィンチャー、ウォン・カーウァイ、ウディ・アレン、ポン・ジュノなど、芸術性の高い映画を好む監督の撮影監督として有名なダリウス・コンジがカメラをまわしています。
一流の俳優とスタッフを集めてつくられた後味の悪い映画となっていますのでご用心を。
編集後記
この記事が、いつか、同じように声が出なくなった人の役に立つことを祈っております。
2025年12月28日
井出留美
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