「食品ロス1トン減らすと温室効果ガス何トン減らせるんですか?」食品企業からの問い

ニュースレター「パル通信」179号では、食品ロスを1トン減らした場合、温室効果ガスの排出量を何トン減らすことができるのかについて解説します。
井出留美 2024.05.17
サポートメンバー限定

こんにちは。ニュースレター「パル通信」に登録いただき、いつも食品ロスやサステイナビリティに関する活動をサポートいただき、ありがとうございます。このニュースレターは、無料読者・有料読者(サポートメンバー)あわせて1,800名の方にお読みいただいています。サポートメンバーの方からは月額サポートをいただき、海外情報の入手や渡航費、取材費などを支援いただき、感謝申し上げます。

ニュースレター「パル通信」179号では、食品関連企業に勤める読者の方からいただいた質問に答える形で、食品ロスを1トン減らした場合、温室効果ガスの排出量を何トン減らすことができるのかについて解説します。

***

「食品ロスを1トン減らすと温室効果ガスは何トン削減できるんですか?」

食品関連企業の方からいただいた質問です。

これに対して「はい、何トンです」と即答できる人はどれほどいらっしゃるでしょうか。

***

日本政府は「ネットゼロ」を宣言し、2050年までに実質の温室効果ガスの排出量をゼロにしようとしています(1)。「ネットゼロ」とは、温室効果ガスの排出量と吸収量のバランスをとり、実質ゼロにすることです。

国全体として「ネットゼロ」を目指すからには、家庭も、事業者も、減らさなければなりません。そこで、質問者が勤める企業では、会社として「温室効果ガス排出ゼロ」を目指し、食品ロスを具体的に減らす活動に取り組んではいるものの、具体的に温室効果ガスが何トン減らせているのか、どのように計算すればよいかがわからないので質問された...という経緯です。

***

「二酸化炭素と温室効果ガスは違うのですか?」

温室効果ガス、といえば、=(イコール) 二酸化炭素、 という意味ではありません。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、5141文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

読者の方にはこんな内容を直接お届けしてます。

・食品ロスの正しい知識がつく
・サステナビリティ情報も配信中
・過去の記事も読み放題
・毎週届き、いつでも配信停止可能
・読みやすいデザイン

提携媒体・コラボ実績

読者限定
6月に最も読まれた記事 全国で一番コメを食べる静岡県の稲作農家の声
サポートメンバー限定
シアトルとボストン取材:果物に貼るだけで鮮度保持期間が最大2倍に延びる...
サポートメンバー限定
捨てられるリンゴやジャガイモ、栗殻、パイナップルなどを飼料化し、おいし...
読者限定
全国で一番コメを食べる静岡県の稲作農家の声/カリフォルニア米・自然栽培...
サポートメンバー限定
Nature最新論文:スーパーの複数個割引キャンペーンは家庭の食品ロス...
読者限定
5月に最も読まれた記事 1/3ルールに独占禁止法違反の恐れ、公正取引委...
サポートメンバー限定
韓国・フランス・英国・ペルー・日本のうち食品ロス削減対策がハーバードな...
サポートメンバー限定
日米最新事情 ホテルやレストランの食べ残し持ち帰り / 7月1日イベン...