theLetter をはじめた理由 パル通信(1)

Yahoo!ニュース個人や信濃毎日新聞などで連載や書評を書いている私がtheLetterを始めた理由をお伝えします。


井出留美の「パル通信」では、社会にあふれる情報の中から選りすぐり、食品ロスや食関連のSDGs、サステナビリティについて解説します。なお、本記事は無料でご購読いただけます。今後も定期的に配信を受け取りたい方は、ぜひ、購読登録をお願いいたします!
井出留美 2021.09.07
誰でも


2021年7月、theLetterを運営する濱本至さんに「ニュースレターを執筆しませんか」とお声がけいただきました。ここのところ、連載のご依頼が増えていたので最初はあまり乗り気ではありませんでした。なぜ私にお声がけいただいたのか、なぜ今ニュースレターが必要なのかといったお話しを伺い、何度もやりとりする中で、ここでしか書けない内容や、ニュースレターだからこそできることもあるのでは...と考えました。主に3つです。

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1、海外からのニュースレターの情報の翻訳

日本から唯一所属している、SDGs12.3(食品ロス削減)のコミュニティがあります。世界各国の組織が所属しており、こちらの主催者であるオランダの世界資源研究所から定期的に世界各国の最新情報を送っていただいています。食品ロス問題やSDGs、サステナビリティに関する内容です。が、今のところ、この情報をお伝えする場がないままでいて、もったいないな...と思っていました。Yahoo!ニュース個人でも連載をしていますが、なにしろ日本最大のアクセス数を誇るYahoo!ですから、情報は次から次へとあふれています。「ただ流れてきた情報を受け身で受け取る」人ではなく、積極的に海外の最新情報を入手しようという姿勢の方にお届けしたいと考えました。

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2、食品ロス以外のこともお伝えするメディアの必要性

2016年に『賞味期限のウソ』という本を出版した際、編集を担当してくださった幻冬舎新書編集長が、Yahoo!ニュース個人のオーサーとしてヤフー(株)に推薦してくださいました。その後、審査を受けて合格し、2017年3月から記事を書き始めました。2021年9月7日現在で603本の記事を配信しています。

Yahoo!ニュース個人は、「発見と言論が社会の課題を解決する」という理念のもと、個人の発信を応援するものです。テーマは専門分野のみに限られ、私は「食品ロス」のテーマで取材し、記事を書いています。

ですが、ここに来て、食品ロス以外のテーマで依頼を受けることが少しずつ増えてきました。たとえば2021年4月から始めた信濃毎日新聞の書評委員では、食や農業、環境、SDGs、気候変動などの本の書評を書いています。また、「最後の読書」(週刊朝日)といったように、「人生の最後にどの本を読むのか」を描いたコラムや、雑誌「ソトコト」のブックガイドなど、分野が広がってきました。

でも、これらの内容は、インターネット上には掲載されていません。だから、新聞や雑誌の読者にしか読んでいただくことができませんし、その号が発行されたらおしまいです。書評に関しては、発行してから6ヶ月以内のものしか書くことができません。インターネットだったら、もっと広く多くの方に読んでいただけるし、発行して6ヶ月以上経った優れた本を紹介することもできます。それら情報が蓄積されていけば、時系列でまとめて読んでいただくことができるのでは・・・と考えました。

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3、読者の方との双方向のコミュニケーション

私が食に関する情報発信を始めたのは、青年海外協力隊(現:JICA海外協力隊)の食品加工隊員としてフィリピンに派遣された時です。協力隊の一次試験、二次試験を受け、隊員候補生として長野県の駒ヶ根訓練所で3ヶ月近くの訓練を受けました。インターネットが一般に普及されていなかった時代、私は訓練所でいろんな人に手紙を書いていました。それを見た同期隊員が「ペンパルのようだ」といって「パル」というニックネームをつけました。訓練期間を終えてフィリピンに派遣されてから書き始めたのが「パル通信」です。

フィリピンの食文化や日本の考え方との違いなど、コラム形式で書いて、コピーして、世界各国の同期隊員や、日本の元同僚や上司、家族へ定期的に送っていました。

残念ながら、2年間の任期の数ヶ月前に、うつ状態になって帰国。その一年後、食品メーカーに就職します。消費者・広報室のアシスタントとして入社した4年目、独自に始めたのが「広報室ニュースレター」でした。

社員を元気づけるため、自社製品が掲載された女性誌の情報などを、社長以下、全社員に、メールにA4一枚のpdfを添付する形で送り始めました。その後、競合情報、食品業界情報、講演、書籍、映画、社会貢献など、さまざまな情報をコラムでまとめて送り、11年間で累計1305号の「広報室ニュースレター」を送ってきました。当時、広報業界でも話題にしていただき、『広報会議』という雑誌で特集いただいたり、日本経団連の全国社内広報大会で事例として発表したりしました。

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「パル通信」と「広報室ニュースレター」で実践していたのが、読んでくださる方との双方向のコミュニケーションです。これによって、読み手の方のリクエストに応えたり、アンケートをとって集計結果をフィードバックしていったり、わたし一人ではなし得ない、いろんなことが生まれました。


思えば、今の連載は、SNSでご意見をいただくことはあるものの、基本的には一方通行で、双方向性が実現できていないことに気づきました。theLetterは、「読者と直接つながるニュースレター配信サービス」を謳っているので、読んでいただく方とのやりとりができるのでは、と考えた次第です。

当時送っていた手書きの「パル通信」は、本邦初公開。購読者として登録いただいた方のみに、書きためていたものを、毎回、少しずつ、お見せしていこうと思います。たとえばパル通信の初回はこんな感じです。

パル通信の一部

パル通信の一部

以上、theLetterをはじめた理由についてお伝えしました。
では、これからどうぞお楽しみに!
2021年9月7日井出留美

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