小売が食品ロス0.5%減らせば利益17%増 日英米の期限表示に関する最新情報
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ニュースレター「パル通信」205号では、賞味期限や期限表示に関する日本・英国・米国の情報をお伝えします。
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「賞味期限をどのくらい過ぎていても大丈夫?」市民意識調査
2024年9月9-11日、茨城県のつくば国際会議場で、第35回廃棄物資源循環学会研究発表会が開催されました(1)。帝京大学の渡辺浩平先生が、クリーンメイトこだいら(東京都小平市廃棄物減量等推進員)の先山厚子さんとともに、『「賞味期限をどのくらい過ぎていても大丈夫?」市民意識調査」と題して発表されました。
第35回廃棄物資源循環学会研究発表会
渡辺浩平先生は、京都府立大学で私が食品ロスの講義をした際、聴きに来てくださったり、最近では海外からのジャーナリストに紹介してくださったおかげで記者が来日取材し、恵方巻売れ残り調査の記事がBBCで配信されたり(2)(3)など、折に触れて連絡くださり、やり取りを続けてくださっている先生で、とても感謝しています。ちなみに渡辺浩平先生が都内で実施した食品ロスの調査についてもBBCで報じられています(4)。
今回、廃棄物資源循環学会で渡辺先生が発表されたのは、東京都小平市民227名と、帝京大学大学生58名の、あわせて285名を対象に、「賞味期限をどのくらい過ぎていても大丈夫?」という質問をおこなった調査結果についてです。
「この食品ならどのくらい賞味期限過ぎていても大丈夫?」と質問したところ、全体的にみると、小平市にくらべて圧倒的に帝京大学生の方が、賞味期限を過ぎたあとの許容期間が短い結果になりました。ヨーグルトや納豆などの発酵食品は、品質が悪くなりにくいにもかかわらず、賞味期限を過ぎてからの許容期間が短くなり、全体的にはリスクを回避しようという傾向が強くみられました。この結果から、渡辺先生らは、
よほど強く「賞味期限は安全性の期限ではない。過ぎても食べることができる」と啓発しないと人の意識や行動が変わらない
と考察されています。
発表された内容は、食品ごとに、また小平市民と帝京大学生というグループごとに、棒グラフで示され、非常にわかりやすい結果となっています。
発表内容は、2024年10月中旬ごろ、J-STAGE(ジェイステージ)(5)というサイトでどなたでもダウンロードしてご覧いただけるようになりますので、どうぞお楽しみになさっていてください。
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次は、英国に関する最新情報です。