2024年12月に最も読まれた記事 なぜ日本は食べ残しの持ち帰りができないの?

ニュースレター「パル通信」221号では、2024年12月に最も読まれた記事を含め、12月に配信した記事を紹介します。
井出留美 2024.12.31
誰でも

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厚労省「食べ残し持ち帰りに関するガイドライン案」に関する見解

2024年12月に最も読まれたのは、厚生労働省が提出した「食べ残し持ち帰りに関するガイドライン案」に対する見解の記事でした。マスメディアの報道も多く、新聞やテレビ局からの取材も連日相次ぎました。2008年から食品ロス問題に取り組む筆者ならではの考え方について、記事を読んでのコメントも複数の方からいただきました。ありがとうございました。

9月から10月にかけて渡航した米国では、どの飲食店でも、持ち帰りたいといえばすぐに紙製の箱を出してくれました。日本でも、生ものはともかく、パンを切っただけのものなど、食品衛生上、問題のないものについては、気軽に持ち帰ることができるようになることを願っています。

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日本初!ユネスコ食文化創造都市認定、鶴岡市ほか山形の地産地消とおいしい店

2024年11月には、山形法人会からの依頼を受け、食品ロスに関する基調講演をおこないました。その後、山形市、尾花沢市、酒田市、鶴岡市など、地産地消の食材で食事を提供する飲食店や料理旅館などをまわってきました。パル通信217号では、これらの店をご紹介しました。

山形県鶴岡市は、日本で初めてユネスコ食文化創造都市に認定された自治体です。2024年で、認定から10年の節目を迎えました。山形の食をぜひ味わっていただきたい!銀山温泉では、これまで飲んだことのない、貴重なビールにも出会いました。

今月12月は、全国展開するホテルから「地産地消」をテーマにした講演依頼を受け、その際にも、山形県の素晴らしい食についてお話しする機会をいただきました。山形の食は日本の宝です。

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1億9,000万円の賞金を獲得したのは?最も権威ある地球環境賞「アースショット」2024受賞者

219号では、2024年の「アースショット賞」受賞者について紹介しました。2021年から始まったこの顕彰制度は、日本のマスメディアではほとんど報じられていません。これまで世界各国で地球環境に関する課題を解決する優れた取り組みが表彰されてきました。2024年はどのような受賞者が賞を獲得したでしょうか。

この「アースショット賞」制度は2030年まで継続される予定です。日本からの参加者は、2021年にファイナリストに選ばれています。我こそは、と思う方は、2025年度のアースショット賞にぜひ申請していただきたいです。

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今日公開!本日より政府が食品ロス削減に関するパブリックコメント募集

12月24日に発表されたこの件も、マスメディアではほとんど触れられていませんでした。事業系の食品ロスに関する削減目標が、これまでの50%から60%へと修正された点は、多くのメディアが報じました。が、食品ロス削減に関するパブリックコメントが募集されていることは、いくつかの新聞に載っていたぐらいでした。

2024年は、国連の関連機関が発表した食品ロスに関するレポートで、日本が(意外にも)評価された年でした。今回のパブリックコメントは、2025年1月23日まで申し込みを受け付け中です。今回の政府案に対するコメントを積極的に出していただき、磨きをかけた新たな取り組みを作っていきたいです。ぜひ目を通してみてください。

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今日の書籍

内村鑑三が、明治27年に開催された「夏期学校」で「後世への最大遺物」と題して講演した内容です。われわれは、後世に、何を遺していけるのか。

「・・・であります」といった、昔ながらの口語で書かれていますが、意外と読みやすい。内村鑑三の講演を解説した本が複数出版されています。ウェブサイトやYouTubeで解説しているものもあります。→

岩波文庫の中では薄い本ですが、密度の濃い内容です。年末年始のお時間があるときに読んでみるのはいかがでしょうか。

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今日の映画

柚木麻子(ゆずき・あさこ)の原作『わたしにふさわしいホテル』(新潮社)が映画化されました。

文学史上、最も不遇な新人作家、中島加代子を、のん さんが演じています。中島加代子の編集担当、遠藤道雄を田中圭、大御所作家の東十条宗典を滝藤賢一が演じます。

お芝居がちょっと大袈裟すぎて、鼻につく部分はありますが、全体的には面白く鑑賞しました。のん さんのユーモラスな演技のたびに、映画館に来ているおじさま(おじいさま?)方の笑い声が聞こえ、「のんさんっておじさんに人気あるんだ」とあらためて実感しました。のんさんは、今年、第16回となる伊丹十三賞を受賞しています。

撮影の舞台となったのが山の上ホテル。文豪たちが執筆のために愛用したホテルです。2024年2月から休館していましたが、先日、明治大学が土地と建物を取得し、継承することが発表されました。

映画のシーンの中で共感できたのは、のん が演じる作家、有森樹李(ありもり・じゅり)が最後に言うセリフ。「賞をとったら悔しさがなくなると思っていたけど、受賞しても、ぜんぜんなくならない、悔しいという感情が消えない」というような趣旨のことを話していました。「書いても書いても自信がない」っていう気持ち、すごくわかるなあと思いました。

映画の前に、原作者の柚木麻子さんと主演の のん さんの対談を読むのもおすすめです。

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編集後記

2024年は元旦に能登半島での地震が起こり、その後も自然災害が続きました。まだ復興できていないところが多くあります。命を失った方のご冥福をお祈り申し上げます。能登半島地震の支援は、災害支援基金に寄付をすることでも可能です。

2024年もニュースレター「パル通信」をご購読いただき、ありがとうございました。特にサポートメンバーの方には食品ロス削減の活動や取材をサポートいただいたおかげで、海外や国内での取材を続けることができました。深く感謝申し上げます。また奈良・東大寺での会や、東京・築地本願寺での講演にも足を運んでいただき、交流できたこと、とてもうれしかったです。

2025年1月には、第11回となる「パル通信」サポートメンバー限定交流会を、初の!関西で開催します。この会は申し込み開始から1日で満席となり、すでにキャンセル待ちとなりましたが、この機会に「パル通信」サポートメンバーにご登録いただける方は、ぜひ登録ボタンからのご参加をお待ちしております。

2024年は11冊目となる拙著『おてらおやつクラブ物語』(旬報社)を出版することができました。2022年から取材に協力いただいたみなさま、本を買って紹介してくださった方、ありがとうございました。2025年3月には12冊目が出版される予定です。こちらもどうぞよろしくお願いいたします。

どうぞよいお年をお迎えください。

2024年12月31日

井出留美

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